#25 一般ユーザーの味方?DFPOP1体 2020/01/10
皆さん、新年あけましておめでとうございます。2020年も、皆さんに楽しんでもらえる「フォントの独り言」を書けるよう頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
――ダイナコムウェアが制作した『DF POP1体』。具体的なリリース年は不明だが、1990年代後半に発売された同社の初期のWin用・Mac用のフォントパッケージには既に収録されていたようだ。もちろん、現在提供されている年間ライセンス「DynaSmart V」や「DynaSmart T」でも提供されている。永年に亘り、プロから一般ユーザーまで幅広い人に愛されているフォントだ。今回は、このPOP1体について話したい。
まず、POP1体とはどういうフォントか、この画像を見て欲しい。 かなや英数字だけでなく、漢字までしっかりデザインされ、なおかつウェイト(太さ)が5つも用意されている。文字を収める四角い枠の中に大きめにデザインされているので、一文字一文字が読みやすいし、文字間隔を細かく調整することができない環境でもきれいに組んで見せることができる。大ぶりではっきり読みやすいという点で、Webフォントにも向いていると思う。あとはPOP体をメインに使いたいけど、ある程度読みやすさもあるフォントの方が良い、という場合にも適しているね。見出しにも本文にも使えるPOP体を持っていないので仕方なく「創英角ポップ体」ばかり使っている人にもオススメしたいな。
今ほどPCで使えるデジタルフォントの選択肢が多くなかった(あっても高価だった)時代には、POP1体の使用例が多く見られた。2019年春以降、ダイナフォントの提供方法は年間ライセンスのみに切り替わってしまったけど、売り切り制のフォントパッケージを販売していた頃は、コスパが良く、一般ユーザーにとっても導入しやすい価格だったからね。プロの方が使うとなると物足りなさもあるフォントだけど、価格の安さと安定感、使いやすさを兼ね備えている点では「庶民の味方」と言っても大げさではないと思う。
ただ、プロの方がデザインで使うフォントとしてはどうか……と考えると、遊び過ぎたデザインに思える。遊び過ぎた…というか、シマリのないデザインというか…。漢字までユルやかにデザインされているので、ピンポイントに使っただけでもかなりウルサク感じられてしまうし、堅いデザインだと一気に幼稚になってしまう、というのは欠点だね。堅い印象のゴシック体や明朝体などのフォントが好まれるプロの世界では、嫌がられても仕方ないかも…。そういうふうに考えると、モリサワやフォントワークスが漢字までデザインされたPOP体の開発に力を入れないのはわかる気がする。漢字部分を普通のゴシック体にして、漢字とバランスが合うようにかな文字を修正して(遊び過ぎていないデザインで)新しいPOP1体をリリースすれば印象が変わる…かもしれない。
ただ、先に述べたように、安価で導入しやすい販売形態で提供されたこと、高度な文字組ができない環境でもきれいに見えるようにデザインされていること、本文にも見出しにも対応する5つものウェイトが用意されたこと…などは、評価されて良い点だと思う。
それでは、また来月の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【紹介したフォントで試し打ちができるサイト】・DFPPOP1体 TrueType for Win|ダイナコムウェアhttps://www.dynacw.co.jp/product/product_download_detail.aspx?sid=3366
【紹介したフォントを使える年間ライセンス】・DynaSmartシリーズ|ダイナコムウェアhttps://www.dynacw.co.jp/product/product_dynasmart.aspx
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皆さん、新年あけましておめでとうございます。
2020年も、皆さんに楽しんでもらえる「フォントの独り言」を書けるよう頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
――ダイナコムウェアが制作した『DF POP1体』。
具体的なリリース年は不明だが、1990年代後半に発売された同社の初期のWin用・Mac用のフォントパッケージには既に収録されていたようだ。
もちろん、現在提供されている年間ライセンス「DynaSmart V」や「DynaSmart T」でも提供されている。
永年に亘り、プロから一般ユーザーまで幅広い人に愛されているフォントだ。
今回は、このPOP1体について話したい。
まず、POP1体とはどういうフォントか、この画像を見て欲しい。
かなや英数字だけでなく、漢字までしっかりデザインされ、なおかつウェイト(太さ)が5つも用意されている。
文字を収める四角い枠の中に大きめにデザインされているので、一文字一文字が読みやすいし、文字間隔を細かく調整することができない環境でもきれいに組んで見せることができる。
大ぶりではっきり読みやすいという点で、Webフォントにも向いていると思う。
あとはPOP体をメインに使いたいけど、ある程度読みやすさもあるフォントの方が良い、という場合にも適しているね。
見出しにも本文にも使えるPOP体を持っていないので仕方なく「創英角ポップ体」ばかり使っている人にもオススメしたいな。
今ほどPCで使えるデジタルフォントの選択肢が多くなかった(あっても高価だった)時代には、POP1体の使用例が多く見られた。
2019年春以降、ダイナフォントの提供方法は年間ライセンスのみに切り替わってしまったけど、売り切り制のフォントパッケージを販売していた頃は、コスパが良く、一般ユーザーにとっても導入しやすい価格だったからね。
プロの方が使うとなると物足りなさもあるフォントだけど、価格の安さと安定感、使いやすさを兼ね備えている点では「庶民の味方」と言っても大げさではないと思う。
ただ、プロの方がデザインで使うフォントとしてはどうか……と考えると、遊び過ぎたデザインに思える。
遊び過ぎた…というか、シマリのないデザインというか…。
漢字までユルやかにデザインされているので、ピンポイントに使っただけでもかなりウルサク感じられてしまうし、堅いデザインだと一気に幼稚になってしまう、というのは欠点だね。
堅い印象のゴシック体や明朝体などのフォントが好まれるプロの世界では、嫌がられても仕方ないかも…。
そういうふうに考えると、モリサワやフォントワークスが漢字までデザインされたPOP体の開発に力を入れないのはわかる気がする。
漢字部分を普通のゴシック体にして、漢字とバランスが合うようにかな文字を修正して(遊び過ぎていないデザインで)新しいPOP1体をリリースすれば印象が変わる…かもしれない。
ただ、先に述べたように、安価で導入しやすい販売形態で提供されたこと、高度な文字組ができない環境でもきれいに見えるようにデザインされていること、本文にも見出しにも対応する5つものウェイトが用意されたこと…などは、評価されて良い点だと思う。
それでは、また来月の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【紹介したフォントで試し打ちができるサイト】
・DFPPOP1体 TrueType for Win|ダイナコムウェア
https://www.dynacw.co.jp/product/product_download_detail.aspx?sid=3366
【紹介したフォントを使える年間ライセンス】
・DynaSmartシリーズ|ダイナコムウェア
https://www.dynacw.co.jp/product/product_dynasmart.aspx
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