#20 FWフォント「非表示化」へ 2019/08/10
フォントワークスが今年5月に【不正コピー、配布への対策強化に対する取り組みのお知らせ】という発表をした。今までは、フォントフォルダを開けばインストールされているフォントが見える(可視化されている)状態だったけど、これが見えなくなる(「非表示化」される)そうだ。これにより、悪質なユーザーがフォントファイルをコピーできなくなる…というのが狙いのようだ。「非表示化」対応版アプリは7月30日にアップデートされ、11月1日には、各ユーザーがインストール済みのフォントに対して順次自動で「非表示化」が行われる…とのこと。
今回のフォントワークスの「非表示化」と同様の提供方法を(おそらく)先にやり始めたのがアドビ。Adobe Fonts(旧Typekit)で提供されているフォントも、通常のインストール方法と異なり、Creative Cloudのアプリを経由して配信(同期化)されるもののようだ。(僕はCreative Cloudを使っていないので詳しい仕組みはよくわからないけど)またフォントワークスも、2018年に発表された「mojimo」シリーズは、いち早く「非表示化」で提供をしている。おそらく後にLETSで提供しているフォントも「非表示化」していくために、試験的(?)にこの方法を取ったんだと思う。
しかし、この「非表示化」はアドビ独自のものかな?と思っていたので、フォントワークスがこういう動きをするとは思わなかった。
僕が幼い頃の話なので、ネット上の話でしか聞いたことがないが、過去にモリサワがOCFフォントにきつ~いコピープロテクトを施していた話を聞いたことがある。(正規品は)フォントをアウトライン化して使用できなかったり、コピーしたフォントを使用するとジャギーが出てしまうようになったりと、細かい仕掛けが施してあったようだ。
しかしながら現在MORISAWA PASSPORTで提供されているOpenTypeフォントやNewCIDフォント(2020年3月でサポート終了するみたい)には、そういう仕掛けは施されていないそう。その方がユーザーにとって使いやすく、提供しやすい、と判断したからかな。
確かに違法コピーは深刻な問題だ。だけどだからといって、今回の「非表示化」のように変わった形で提供してしまうと、古いアプリで使えるのだろうか、とか、ある時PCを起動してみたらフォントを同期化する際に不具合が生じて、使えていたフォントが急に使えなくならないか、なんて懸念はあるんだよ。Adobe Fontsのように、フォントに特化したサービスというよりかはCreative Cloudで提供される1つに過ぎないサービスや、mojimoのように一般ユーザー向けに安価で提供しているサービスならまだわかる。フォントのことを知悉していなかったり、フォントの著作権に関して認識の甘い一般ユーザーなら(プロでもそういう人はいるけど)、コピーされかねない懸念はあるから、プロテクトを優先した方が良いだろう。しかし、LETSで提供されているフォントは、プロが使っている例が圧倒的に多い。そんなフォント全てをいきなり新しい形での提供に切り替えて、安心して仕事に使っていけるのだろうか?と思ってしまうんだよね。モリサワはおそらくそういうことを懸念して、あえてきついコピープロテクトを外したのだろうと思う。過去にモリサワが止めた経緯があるのに、どうしてフォントワークスは今になって「非表示化」の決断を下したのだろうか?
あとこれから気になるのは、モリサワや他のフォントベンダーは、この動きに追随するのか?ということ。個人が趣味で楽しむ範疇でなく、プロの方々がいつも確実に同じフォントを安定して使える環境を維持していくのに、「非表示化」で提供してしまって大丈夫なのかな…と不安が残ってしまう。過去にフォントに(「非表示化」ではないけど)コピープロテクトを施していたことがあって、でも後にあえてそういう手段で提供しなくなったモリサワがどう動くのかは特に気になる所だね。
ま、Adobe Fontsやmojimoも含め、可視化されたフォント同様に、古いアプリから新しいアプリまで、安定してフォントが配信?同期化?される保証があるのであれば、僕はもう何も言わないが…。
それでは、また来月の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2019.7.15閲覧)・不正コピー、配布への対策強化に対する取り組みのお知らせ|フォントワークスhttps://www.fontworks.co.jp/news/archives/305・「フォント=プロデザイナー向けという概念を覆したい」 商用フォントが1書体100円ほどで使える「mojimo」はなぜ生まれたかhttps://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1904/07/news002.html・プロテクトのかかったフォントをアウトライン化したいhttps://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=174656&id=34426574・モリサワフォントに使用期限通知機能が付いていたhttps://chihochu.jp/52365703/・不正コピー報告|モリサワhttps://www.morisawa.co.jp/piracy/・NewCID(CID)フォントのサポート終了について|モリサワhttps://www.morisawa.co.jp/about/news/4280
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フォントワークスが今年5月に【不正コピー、配布への対策強化に対する取り組みのお知らせ】という発表をした。
今までは、フォントフォルダを開けばインストールされているフォントが見える(可視化されている)状態だったけど、これが見えなくなる(「非表示化」される)そうだ。
これにより、悪質なユーザーがフォントファイルをコピーできなくなる…というのが狙いのようだ。
「非表示化」対応版アプリは7月30日にアップデートされ、11月1日には、各ユーザーがインストール済みのフォントに対して順次自動で「非表示化」が行われる…とのこと。
今回のフォントワークスの「非表示化」と同様の提供方法を(おそらく)先にやり始めたのがアドビ。
Adobe Fonts(旧Typekit)で提供されているフォントも、通常のインストール方法と異なり、Creative Cloudのアプリを経由して配信(同期化)されるもののようだ。
(僕はCreative Cloudを使っていないので詳しい仕組みはよくわからないけど)
またフォントワークスも、2018年に発表された「mojimo」シリーズは、いち早く「非表示化」で提供をしている。
おそらく後にLETSで提供しているフォントも「非表示化」していくために、試験的(?)にこの方法を取ったんだと思う。
しかし、この「非表示化」はアドビ独自のものかな?と思っていたので、フォントワークスがこういう動きをするとは思わなかった。
僕が幼い頃の話なので、ネット上の話でしか聞いたことがないが、過去にモリサワがOCFフォントにきつ~いコピープロテクトを施していた話を聞いたことがある。
(正規品は)フォントをアウトライン化して使用できなかったり、コピーしたフォントを使用するとジャギーが出てしまうようになったりと、細かい仕掛けが施してあったようだ。
しかしながら現在MORISAWA PASSPORTで提供されているOpenTypeフォントやNewCIDフォント(2020年3月でサポート終了するみたい)には、そういう仕掛けは施されていないそう。
その方がユーザーにとって使いやすく、提供しやすい、と判断したからかな。
確かに違法コピーは深刻な問題だ。
だけどだからといって、今回の「非表示化」のように変わった形で提供してしまうと、古いアプリで使えるのだろうか、とか、ある時PCを起動してみたらフォントを同期化する際に不具合が生じて、使えていたフォントが急に使えなくならないか、なんて懸念はあるんだよ。
Adobe Fontsのように、フォントに特化したサービスというよりかはCreative Cloudで提供される1つに過ぎないサービスや、mojimoのように一般ユーザー向けに安価で提供しているサービスならまだわかる。
フォントのことを知悉していなかったり、フォントの著作権に関して認識の甘い一般ユーザーなら(プロでもそういう人はいるけど)、コピーされかねない懸念はあるから、プロテクトを優先した方が良いだろう。
しかし、LETSで提供されているフォントは、プロが使っている例が圧倒的に多い。
そんなフォント全てをいきなり新しい形での提供に切り替えて、安心して仕事に使っていけるのだろうか?と思ってしまうんだよね。
モリサワはおそらくそういうことを懸念して、あえてきついコピープロテクトを外したのだろうと思う。
過去にモリサワが止めた経緯があるのに、どうしてフォントワークスは今になって「非表示化」の決断を下したのだろうか?
あとこれから気になるのは、モリサワや他のフォントベンダーは、この動きに追随するのか?ということ。
個人が趣味で楽しむ範疇でなく、プロの方々がいつも確実に同じフォントを安定して使える環境を維持していくのに、「非表示化」で提供してしまって大丈夫なのかな…と不安が残ってしまう。
過去にフォントに(「非表示化」ではないけど)コピープロテクトを施していたことがあって、でも後にあえてそういう手段で提供しなくなったモリサワがどう動くのかは特に気になる所だね。
ま、Adobe Fontsやmojimoも含め、可視化されたフォント同様に、古いアプリから新しいアプリまで、安定してフォントが配信?同期化?される保証があるのであれば、僕はもう何も言わないが…。
それでは、また来月の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2019.7.15閲覧)
・不正コピー、配布への対策強化に対する取り組みのお知らせ|フォントワークス
https://www.fontworks.co.jp/news/archives/305
・「フォント=プロデザイナー向けという概念を覆したい」 商用フォントが1書体100円ほどで使える「mojimo」はなぜ生まれたか
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1904/07/news002.html
・プロテクトのかかったフォントをアウトライン化したい
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=174656&id=34426574
・モリサワフォントに使用期限通知機能が付いていた
https://chihochu.jp/52365703/
・不正コピー報告|モリサワ
https://www.morisawa.co.jp/piracy/
・NewCID(CID)フォントのサポート終了について|モリサワ
https://www.morisawa.co.jp/about/news/4280
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