#19 個人的に気になるフォント:DF欧風花体 2019/07/10
5月28日に、ダイナコムウェアがDynaSmart V新書体「欧風花体」がリリースされた。カリグラフィーの要素を日本語に取り入れたフォントで、冬頃にリリースの告知があってから、非常に気になっていたフォントだ。今回はこの「欧風花体」について、僕なりにレビューしてみようと思う。
欧風花体を見た時に最初に浮かんだイメージは、砂浜に立つ、白いワンピースに麦わら帽子を身に着けた18歳くらいの女性の姿。まっすぐ海岸に吹き付ける風に、長い髪とワンピースがなびく感じ。ありふれた構図かもしれないけど、そのイメージをそのまま表したかのように思えたのがこの「欧風花体」だ。
文字を並べれば並べるほど、文章全体に踊り出すような「動き」が感じられる。カリグラフィーの味を活かしていながら、フォントとしての使いやすさ・バランスも維持できている。ペンの動きが嫌なクセになっていないので、それなりに長文でも使えそうな感じだ。ただ、このフォントのテイストをより活かすなら、ある程度大きいサイズで使った方が良いかもしれないね。
欧文も、プロポーショナルメトリクス機能を使って組むと、ダイナフォントストーリーにも書かれている「筆記体の続け書き」のように魅せることができる。和文フォント従属欧文って、和文(かな・漢字)に合うように作ってあるから、従属欧文だけで組むとあまりきれいに見えないことが多いんだよね。でも欧風花体は欧文だけでもきれいに魅せることができるように思う。もし海外に友達がいたら、自分も思い切って不慣れな英語を駆使して手紙を書いてみよう、と思える感じ(笑)。
何より特筆すべき点は、カリグラフィーという欧文の手法を、和文でも活かしてみせたことかな。和文にはないデザイン手法だから、デザイナーは相当苦心しただろうと思う。デザイン性が高くなるにつれてクセが強くなるし、フォントとしての使いやすさも失われかねなくなるリスクがある中で(そのせいで使いづらいだけのフォントと成り果てた残念なフォントも世の中にはある…)、デザイン性と使いやすさのバランスが上手い具合に両立できているように感じた。
しかし、あまり縦組みには向かない…かな?横組みに配慮されたフォントだからだと思うけど、縦組みにすると、あまりきれいに文字が並ばない。ま、コンセプトにもなっているカリグラフィー自体がもともと西洋の文化なので、横組みに特化しているのは当然なんだけど…。今後もし機会があれば、同一コンセプトで縦組みでもきれいに魅せられるデザイン書体の制作に挑戦してくれても良いかもしれないね。(ダイナならきっとできる!)縦組みにまで特化すれば、女性をターゲットにした広告のキャッチコピーなどでさらに重宝しそうだ。
ダイナは欧風花体に限らず、今までも「麗雅宋」「優雅宋」「娥眉明朝体」など、デザイン書体を多数リリースしてきた。それらは「欧風(洋風)」「大人の女性」「レトロ」など、共通したイメージを持っていて、クオリティも非常に高いと思う。共通したイメージがありながら、デザインがマンネリ化していないんだよね。モリサワやフォントワークスなど、フォントの最大手の会社が真似できそうで、なかなかできないのでは?と僕は思っている。そういった所はダイナの強みとして、今後も活かしていって欲しいな。
それでは、また来月の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2019.6.15閲覧)・DynaFont PICK UP書体-欧風花体|ダイナフォントストーリーhttps://www.dynacw.co.jp/fontstory/fontstory_detail.aspx?s=382&r=2&ftag=PICK%20UP%20%E6%9B%B8%E4%BD%93・ダイナフォント2019年新書体として「欧風花体」を発表https://www.dynacw.co.jp/news/news_detail.aspx?s=687&r=34
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5月28日に、ダイナコムウェアがDynaSmart V新書体「欧風花体」がリリースされた。
カリグラフィーの要素を日本語に取り入れたフォントで、冬頃にリリースの告知があってから、非常に気になっていたフォントだ。
今回はこの「欧風花体」について、僕なりにレビューしてみようと思う。
欧風花体を見た時に最初に浮かんだイメージは、砂浜に立つ、白いワンピースに麦わら帽子を身に着けた18歳くらいの女性の姿。
まっすぐ海岸に吹き付ける風に、長い髪とワンピースがなびく感じ。
ありふれた構図かもしれないけど、そのイメージをそのまま表したかのように思えたのがこの「欧風花体」だ。
文字を並べれば並べるほど、文章全体に踊り出すような「動き」が感じられる。
カリグラフィーの味を活かしていながら、フォントとしての使いやすさ・バランスも維持できている。
ペンの動きが嫌なクセになっていないので、それなりに長文でも使えそうな感じだ。
ただ、このフォントのテイストをより活かすなら、ある程度大きいサイズで使った方が良いかもしれないね。
欧文も、プロポーショナルメトリクス機能を使って組むと、ダイナフォントストーリーにも書かれている「筆記体の続け書き」のように魅せることができる。
和文フォント従属欧文って、和文(かな・漢字)に合うように作ってあるから、従属欧文だけで組むとあまりきれいに見えないことが多いんだよね。
でも欧風花体は欧文だけでもきれいに魅せることができるように思う。
もし海外に友達がいたら、自分も思い切って不慣れな英語を駆使して手紙を書いてみよう、と思える感じ(笑)。
何より特筆すべき点は、カリグラフィーという欧文の手法を、和文でも活かしてみせたことかな。
和文にはないデザイン手法だから、デザイナーは相当苦心しただろうと思う。
デザイン性が高くなるにつれてクセが強くなるし、フォントとしての使いやすさも失われかねなくなるリスクがある中で(そのせいで使いづらいだけのフォントと成り果てた残念なフォントも世の中にはある…)、デザイン性と使いやすさのバランスが上手い具合に両立できているように感じた。
しかし、あまり縦組みには向かない…かな?
横組みに配慮されたフォントだからだと思うけど、縦組みにすると、あまりきれいに文字が並ばない。
ま、コンセプトにもなっているカリグラフィー自体がもともと西洋の文化なので、横組みに特化しているのは当然なんだけど…。
今後もし機会があれば、同一コンセプトで縦組みでもきれいに魅せられるデザイン書体の制作に挑戦してくれても良いかもしれないね。(ダイナならきっとできる!)
縦組みにまで特化すれば、女性をターゲットにした広告のキャッチコピーなどでさらに重宝しそうだ。
ダイナは欧風花体に限らず、今までも「麗雅宋」「優雅宋」「娥眉明朝体」など、デザイン書体を多数リリースしてきた。
それらは「欧風(洋風)」「大人の女性」「レトロ」など、共通したイメージを持っていて、クオリティも非常に高いと思う。
共通したイメージがありながら、デザインがマンネリ化していないんだよね。
モリサワやフォントワークスなど、フォントの最大手の会社が真似できそうで、なかなかできないのでは?と僕は思っている。
そういった所はダイナの強みとして、今後も活かしていって欲しいな。
それでは、また来月の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2019.6.15閲覧)
・DynaFont PICK UP書体-欧風花体|ダイナフォントストーリー
https://www.dynacw.co.jp/fontstory/fontstory_detail.aspx?s=382&r=2&ftag=PICK%20UP%20%E6%9B%B8%E4%BD%93
・ダイナフォント2019年新書体として「欧風花体」を発表
https://www.dynacw.co.jp/news/news_detail.aspx?s=687&r=34
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