#15 個人的に気になる年間ライセンス:MOJIパス 2019/03/10
最近僕は、スキルインフォメーションズが提供しているフォントの年間ライセンス「MOJIパス」の契約を始めた。もともとは「FONT1000定額」というおカタい名称だったが、途中から変更されたようだ。おそらくだけど、モリサワの年間ライセンス「MORISAWA PASSPORT」の略称・愛称である“モリパス”の向こうを張ったのだろう。だとしたら、なかなか攻めたな…と思う(笑)。今回は、そんなMOJIパスを契約しての僕の感想を書くことにする。
この年間ライセンスで使えるフォントの数は135書体(2019年2月現在)。大手フォントベンダーの年間ライセンスと比べると、使えるフォントの数だけで言えば多くはない。しかし、堅苦しいゴシックや明朝、あるいはデザイン書体でも比較的落ち着いたデザインのフォントを多く提供している会社と異なり、ロゴなどに使う時に重宝しそうなフォントが数多く使えるのは魅力的だね。実際に、漫画の表紙のロゴタイプで使われているのをよく見かける。
そんなMOJIパスのラインナップの中から、僕個人的に気に入ったフォントを10ほど選んでみた↓ここから、その中でもさらに僕が特に気に入ったフォントを2つ紹介する。
まず1つは「ブロックライン」↓逆向きの台形の枠の中に文字がデザインされたような感じで、文字を組むとそのまままっすぐ胸にグッと突き刺さってきそうな勢いのある文字組が実現できる。漢字のハネなども大胆に省かれているのがカッコイイ。店頭に掲示するPOPとか、漫画の吹き出しの効果音とかで活躍しそうだ。ただ、英数字が収容されていないのが惜しいかな…。
もう1つは、「Jグー」↓このフォント同様に、とにかく極限まで太くしたフォントというと、フォントワークスの「ラグランパンチ」や、視覚デザイン研究所の「ロゴGブラック」「ロゴJrブラック」などが思い浮かぶが、これらのフォントは、格好良さとかインパクトが求められる場面で活躍しているイメージがある。しかし「Jグー」は少し違って、太さはあるもののガッチリしているわけではなく、全体的に丸みを帯びていてかわいらしい感じがする。だからって多用すると他社の極太フォントと同様に、くどくなってしまうだろうから気を付けたいね。
このFONT1000という企画自体が、非常にデザイナーに寄り添ったものだなと感じた。本来フォントを制作する際には、ひらがな・カタカナや英数字、記号類、さらにJIS第一・第二水準漢字など含めて7000字程度を制作する必要があるが、FONT1000は、使用頻度の高い文字だけを選定し、デザイナーがより気軽にフォントを制作できるように…という考えのもとで企画されたプロジェクトのようだ。ユニークなタイプフェイスデザインができるデザイナーも、だからって数千文字を1人で制作しなきゃならないってなったら大変だものね。その点をクリアにして、良いフォントをたくさん提供してくれたことは、フォントのデザイナーにとってもユーザーにとっても嬉しい話だ。
ただ、個性が強過ぎて、実用性は「?」と言わざるを得ないフォントもある。というのも、MOJIパスのラインナップには、他社フォントと比べて、可読性に乏しいフォントが多く見られたからだ。個性が強くなれば可読性の面が劣ってくるのは仕方ないのもわかるけど、もうちょっと配慮できなかったのかな…と思うフォントもあって、そこが残念かな。ま、フォントの短所を上手く補えるか、あるいはむしろそこを上手く魅せることができるかは、ユーザー次第でもあるのだけど。
実用性が「?」なフォントも、デザインでなく、アートとしては面白いと思う。自分が思い浮かんだメッセージを入力した時に、自分が今から打ち込む文字はどんなデザインになっているのだろう?と想像しながらカチカチ打てるワクワク感があるよね。特にそんなふうに思えるのが、このフォント「rb」↓
それでは、また来月の記事でお会いしましょう。ィヨロシク!!
●参考にしたサイト・デザイナー自主参加書体開発プロジェクト FONT1000http://font1000.com/(2019.2.12閲覧)・MOJI(MOJIパスの販売サイト)https://www.font.jpn.com/(2019.2.12閲覧)
スポンサーサイト
最近僕は、スキルインフォメーションズが提供しているフォントの年間ライセンス「MOJIパス」の契約を始めた。
もともとは「FONT1000定額」というおカタい名称だったが、途中から変更されたようだ。
おそらくだけど、モリサワの年間ライセンス「MORISAWA PASSPORT」の略称・愛称である“モリパス”の向こうを張ったのだろう。
だとしたら、なかなか攻めたな…と思う(笑)。
今回は、そんなMOJIパスを契約しての僕の感想を書くことにする。
この年間ライセンスで使えるフォントの数は135書体(2019年2月現在)。
大手フォントベンダーの年間ライセンスと比べると、使えるフォントの数だけで言えば多くはない。
しかし、堅苦しいゴシックや明朝、あるいはデザイン書体でも比較的落ち着いたデザインのフォントを多く提供している会社と異なり、ロゴなどに使う時に重宝しそうなフォントが数多く使えるのは魅力的だね。
実際に、漫画の表紙のロゴタイプで使われているのをよく見かける。
そんなMOJIパスのラインナップの中から、僕個人的に気に入ったフォントを10ほど選んでみた↓
ここから、その中でもさらに僕が特に気に入ったフォントを2つ紹介する。
まず1つは「ブロックライン」↓
逆向きの台形の枠の中に文字がデザインされたような感じで、文字を組むとそのまままっすぐ胸にグッと突き刺さってきそうな勢いのある文字組が実現できる。
漢字のハネなども大胆に省かれているのがカッコイイ。
店頭に掲示するPOPとか、漫画の吹き出しの効果音とかで活躍しそうだ。
ただ、英数字が収容されていないのが惜しいかな…。
もう1つは、「Jグー」↓
このフォント同様に、とにかく極限まで太くしたフォントというと、フォントワークスの「ラグランパンチ」や、視覚デザイン研究所の「ロゴGブラック」「ロゴJrブラック」などが思い浮かぶが、これらのフォントは、格好良さとかインパクトが求められる場面で活躍しているイメージがある。
しかし「Jグー」は少し違って、太さはあるもののガッチリしているわけではなく、全体的に丸みを帯びていてかわいらしい感じがする。
だからって多用すると他社の極太フォントと同様に、くどくなってしまうだろうから気を付けたいね。
このFONT1000という企画自体が、非常にデザイナーに寄り添ったものだなと感じた。
本来フォントを制作する際には、ひらがな・カタカナや英数字、記号類、さらにJIS第一・第二水準漢字など含めて7000字程度を制作する必要があるが、FONT1000は、使用頻度の高い文字だけを選定し、デザイナーがより気軽にフォントを制作できるように…という考えのもとで企画されたプロジェクトのようだ。
ユニークなタイプフェイスデザインができるデザイナーも、だからって数千文字を1人で制作しなきゃならないってなったら大変だものね。
その点をクリアにして、良いフォントをたくさん提供してくれたことは、フォントのデザイナーにとってもユーザーにとっても嬉しい話だ。
ただ、個性が強過ぎて、実用性は「?」と言わざるを得ないフォントもある。
というのも、MOJIパスのラインナップには、他社フォントと比べて、可読性に乏しいフォントが多く見られたからだ。
個性が強くなれば可読性の面が劣ってくるのは仕方ないのもわかるけど、もうちょっと配慮できなかったのかな…と思うフォントもあって、そこが残念かな。
ま、フォントの短所を上手く補えるか、あるいはむしろそこを上手く魅せることができるかは、ユーザー次第でもあるのだけど。
実用性が「?」なフォントも、デザインでなく、アートとしては面白いと思う。
自分が思い浮かんだメッセージを入力した時に、自分が今から打ち込む文字はどんなデザインになっているのだろう?と想像しながらカチカチ打てるワクワク感があるよね。
特にそんなふうに思えるのが、このフォント「rb」↓
それでは、また来月の記事でお会いしましょう。ィヨロシク!!
●参考にしたサイト
・デザイナー自主参加書体開発プロジェクト FONT1000
http://font1000.com/(2019.2.12閲覧)
・MOJI(MOJIパスの販売サイト)
https://www.font.jpn.com/(2019.2.12閲覧)
スポンサーサイト
コメント