#10 フォントはファミリーで提供されるべき? 2018/10/10(Wed)
複数のウェイトが(ファミリーで)揃ったフォントを買う時に、自分に必要なウェイトのみダウンロード(単体)購入する、ということがあると思う。
例えば、平成角ゴシック体はW3,W5,W7,W9の4ウェイトで構成されているけど、自分に必要なのは見出しでドーンと使えるW9だけだから、それだけ購入したりね。本当はファミリーで揃えたいけど、コストが高くつくようなら仕方がない。
だけど、フォントは単価が高いから、単体でちまちま購入すればむしろ高くつくこともある。だから実際には、同じフォントのファミリーは全て揃って手に入る場合が多く、単体でちまちま購入するよりかは安くつくこともあるパッケージ購入や年間ライセンス購入を選ぶ人も多いはず。
だけど割と最近になって、Adobeがちょっと変わったサービスを始めた。同社のCreative Cloudを契約することで使える「Typekit」というサービスだ。これを契約すると、Adobeのフォントはもちろん、モリサワやフォントワークス、VDL(視覚デザイン研究所)、字游工房、大日本印刷など、いろんなベンダーのフォントが使えるようになるのだ。契約するCreative Cloudのプランによっては、上記した幅広いベンダーのフォントが、安く、気軽に使えるようになるというわけだ。
ただし、世の中そんなに甘く、良い話ばかりでもない。というのは、Typekitでは一般的なパッケージフォントや年間ライセンスで使えるフォントと異なり、ほとんどのフォントはファミリーで提供されていない(ここがポイント)。例えば、モリサワの「UD新ゴ」であればPr6NフォントのRegularウェイトのみ、フォントワークスの「スーラ」であればProNフォントのDBウェイトのみ…といった感じ。結局、各フォントをファミリーで使いたければ、モリサワであればMORISAWA PASSPORT、フォントワークスであればLETSを契約するしかないのだ。なかなか賢い販売戦略だと思う(笑)。
でもフォントって、できることならファミリーで揃えられた方が、便利に使えるんじゃないの?と思う。本文から見出しまで、あえて細かくフォントの変更を行わずに、ウェイトだけ変えて同じフォントで揃えた方がきれいに見えることもあるからね。
Typekitの場合、提供されているフォントの多くが本文向きのウェイトだ。見出しに使える太いウェイトのフォントも提供されているものの、ゴシック体や明朝体などの標準的なフォントは少なく、もともとウェイトが1つしかないようなデザインフォントが多い。これだと、一般的なビジネス文書などでは使いづらいよね…。(ビジネス文書でこんな高尚なフォントを使う人がどれくらいいるのか、という話はさて置き)
また、ここで提供されている『ロゴG』などのVDLフォントも、Regularウェイト(フォントによってはMediumウェイト)のみの提供。これはキツイ…。だってVDLフォントは、ロゴデザインにはかなり使いやすいフォントだし、太さがないのはちょっとね。各フォント、Regularに加えてもう1ウェイト太いものを提供して欲しかったな~。ま、文句があるならTypekitではなく、(なかなか良い値段で提供されている)パッケージフォントを買ってね、という販売戦略なんだろうけど(笑)。
それに、フォントの独り言#01でも話したけど、太いフォントを使いたい時は擬似ボールド機能に頼れば良い、という考えを持っている人はいる。案外プロでも、そのフォントにはもともと細いウェイトしか用意されていないからって、「B(ボールド)」ボタンを使ったり、Illustratorなどで文字に文字と同じ色の線を付けたりして太らせたりすれば良いと考えている人は多いように感じる。
だから、いろんな会社の事情があるのだろうけど、フォントは単体購入を除き、なるべくファミリーでまとめて提供して欲しい…というのが僕の本音だ。
それでは、また来月の記事でお会いしましょう。ィヨロシク!!
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複数のウェイトが(ファミリーで)揃ったフォントを買う時に、自分に必要なウェイトのみダウンロード(単体)購入する、ということがあると思う。
例えば、平成角ゴシック体はW3,W5,W7,W9の4ウェイトで構成されているけど、自分に必要なのは見出しでドーンと使えるW9だけだから、それだけ購入したりね。
本当はファミリーで揃えたいけど、コストが高くつくようなら仕方がない。
だけど、フォントは単価が高いから、単体でちまちま購入すればむしろ高くつくこともある。
だから実際には、同じフォントのファミリーは全て揃って手に入る場合が多く、単体でちまちま購入するよりかは安くつくこともあるパッケージ購入や年間ライセンス購入を選ぶ人も多いはず。
だけど割と最近になって、Adobeがちょっと変わったサービスを始めた。
同社のCreative Cloudを契約することで使える「Typekit」というサービスだ。
これを契約すると、Adobeのフォントはもちろん、モリサワやフォントワークス、VDL(視覚デザイン研究所)、字游工房、大日本印刷など、いろんなベンダーのフォントが使えるようになるのだ。
契約するCreative Cloudのプランによっては、上記した幅広いベンダーのフォントが、安く、気軽に使えるようになるというわけだ。
ただし、世の中そんなに甘く、良い話ばかりでもない。
というのは、Typekitでは一般的なパッケージフォントや年間ライセンスで使えるフォントと異なり、ほとんどのフォントはファミリーで提供されていない(ここがポイント)。
例えば、モリサワの「UD新ゴ」であればPr6NフォントのRegularウェイトのみ、フォントワークスの「スーラ」であればProNフォントのDBウェイトのみ…といった感じ。
結局、各フォントをファミリーで使いたければ、モリサワであればMORISAWA PASSPORT、フォントワークスであればLETSを契約するしかないのだ。
なかなか賢い販売戦略だと思う(笑)。
でもフォントって、できることならファミリーで揃えられた方が、便利に使えるんじゃないの?と思う。
本文から見出しまで、あえて細かくフォントの変更を行わずに、ウェイトだけ変えて同じフォントで揃えた方がきれいに見えることもあるからね。
Typekitの場合、提供されているフォントの多くが本文向きのウェイトだ。
見出しに使える太いウェイトのフォントも提供されているものの、ゴシック体や明朝体などの標準的なフォントは少なく、もともとウェイトが1つしかないようなデザインフォントが多い。
これだと、一般的なビジネス文書などでは使いづらいよね…。(ビジネス文書でこんな高尚なフォントを使う人がどれくらいいるのか、という話はさて置き)
また、ここで提供されている『ロゴG』などのVDLフォントも、Regularウェイト(フォントによってはMediumウェイト)のみの提供。これはキツイ…。
だってVDLフォントは、ロゴデザインにはかなり使いやすいフォントだし、太さがないのはちょっとね。
各フォント、Regularに加えてもう1ウェイト太いものを提供して欲しかったな~。
ま、文句があるならTypekitではなく、(なかなか良い値段で提供されている)パッケージフォントを買ってね、という販売戦略なんだろうけど(笑)。
それに、フォントの独り言#01でも話したけど、太いフォントを使いたい時は擬似ボールド機能に頼れば良い、という考えを持っている人はいる。
案外プロでも、そのフォントにはもともと細いウェイトしか用意されていないからって、「B(ボールド)」ボタンを使ったり、Illustratorなどで文字に文字と同じ色の線を付けたりして太らせたりすれば良いと考えている人は多いように感じる。
だから、いろんな会社の事情があるのだろうけど、フォントは単体購入を除き、なるべくファミリーでまとめて提供して欲しい…というのが僕の本音だ。
それでは、また来月の記事でお会いしましょう。ィヨロシク!!
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