#08 本文で使いづらい?MSゴシック・MS明朝 2018/08/10(Fri)
Windowsユーザーならお馴染みの、MSゴシックとMS明朝。かなり古いバージョンのWinから現在のWin10までずっと搭載されているフォントだ。自分で新しくフォントをインストールしなくても、確実に使えるフォントということもあり、様々な文書でこれらのフォントを見かける。しかし、“デフォルト臭”が強く、デザインもイマイチなので、「MSフォントだけはカンベンしてくれ…」という声もある。僕も大学時代に書いていたレポートでは、他のフォントを使いたくても、「フォントはMS明朝で文字サイズは10.5ポイント」などと指定されていて、他のフォントを使えず辟易したこともある…(笑)。皆が確実に使えるフォント、ということで、無難なフォントとして指定されがちなんだろうね。だけど僕が思うに、デザイン以外にも、MSフォントには難があるように感じる。今回は、それについて話そうと思う。
僕がMSフォントについて何より気になっているのが、その太さだ。特に本文でよく使われるMS明朝は、あまりにも細く、読みづらい!画像を見て頂くとわかるが、まずMS明朝は、平成明朝体の中で最も細い(本文向きの)W3よりも細いのだ。ただでさえ明朝体は、横線が細く、文字を追いづらいので、僕はあまり好きじゃないんだよね。どうしてこんなに細い設計にしたのだろうね?一方で、MSゴシックに関しては、本文用としては少し太過ぎる気がする。画像にあるように、平成角ゴシック体のW3より太く、W5と同程度の太さだ。これは、MSゴシックのベースになったリョービ(現在はモリサワにフォント事業譲渡)の『ゴシック』というフォントのB(ボールド)ウェイトが採用されたことが起因しているんだけど、もう少し細いウェイトを採用した方が良かったんじゃないだろうか?実際に、リョービからリコーにライセンスされている『HGゴシック』に関しては、Bより太くシッカリした見出し向きのEウェイトの他に、Bより細い本文向きのMウェイトも用意されているしね。(僕はWin標準フォントしか使えない環境では、MSフォントを避けてこのフォントを使うことが多い)MS明朝を本文に、MSゴシックを強調や見出し部分に使う…という使用例もあるくらいなので、MSゴシックを本文に使うのはきついものがあると思うんだよね。ビットマップ(画面表示)用フォントとしてのMSゴシックは、そんなに太く見えるものじゃないんだから、もう少し本文でもストレスにならない、読みやすい太さに設計できなかったのかな?と思う。
また、Wikipediaの「平成角ゴシック」の項目によれば、平成角ゴシック体の場合は、「ベタ組が基本となるシステムでの利用を考慮し、平成明朝同様ふところを広くとり仮想ボディ一杯のタイプフェイスとすることで、可読性を確保した。」そうだ。それと比べると、MSフォントは、かな文字の大きさが小さく見える。プロポーショナルフォントであるMS Pゴシック(明朝)を使う人以外で、わざわざMSフォントをツメ組して使う人は少ないと思うし、もう少し大ぶりにデザインして欲しかったかな~。ま、ベースになっているフォントがリョービの『ゴシック』と『本明朝』なので(どちらもかな文字の大きさが微妙)、仕方ないんだけどね。
もうひとつ思うことは、MSゴシックもMS明朝も、なぜファミリー化されていないのか?ということだ。これらのフォントをよく使う人は、より太くしたい時に、すぐ擬似ボールド機能に頼っている(『フォントの独り言』#01でも少し取り上げた)。Winを使う多くの人が用いるMSフォントが早い段階でファミリー化されていれば、フォントについてそれほど知識のない人でも、必要に応じてウェイトを切り替えて、擬似ボールド機能を使うよりもフォントをきれいに魅せる、ということができたんじゃないだろうか?(それでもフリーフォントにファミリー化されたフォントが多く出てきたので、擬似ボールド機能を使用せず、意識的に違うウェイトのフォントを使おうと思う人が増えてきているような気はする)
これを言うと「は?」と思われそうだが、正直僕は、MSフォントについて、デザイン面への不満はそれほど抱いていない。デフォルト感が強くて何度も見たくない、とは思うけどね(笑)。決して良いデザインとは言えないと思うが、デザイン面よりも、先述したように太さの面とかファミリー化されていない所とか、“使いやすさ”の面が重視されていない所の方がイタイと思うんだよ。それほど良いデザインではなくても、使いやすさについて配慮されていれば、プロのデザインに用いることはできなくても、一般的な文書では、それなりに使いやすいフォントにすることができたのではないか、と思う。
以上。来月の記事もお楽しみに~。ィヨロシク!!
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Windowsユーザーならお馴染みの、MSゴシックとMS明朝。
かなり古いバージョンのWinから現在のWin10までずっと搭載されているフォントだ。
自分で新しくフォントをインストールしなくても、確実に使えるフォントということもあり、様々な文書でこれらのフォントを見かける。
しかし、“デフォルト臭”が強く、デザインもイマイチなので、「MSフォントだけはカンベンしてくれ…」という声もある。
僕も大学時代に書いていたレポートでは、他のフォントを使いたくても、「フォントはMS明朝で文字サイズは10.5ポイント」などと指定されていて、他のフォントを使えず辟易したこともある…(笑)。
皆が確実に使えるフォント、ということで、無難なフォントとして指定されがちなんだろうね。
だけど僕が思うに、デザイン以外にも、MSフォントには難があるように感じる。
今回は、それについて話そうと思う。
僕がMSフォントについて何より気になっているのが、その太さだ。
特に本文でよく使われるMS明朝は、あまりにも細く、読みづらい!
画像を見て頂くとわかるが、まずMS明朝は、平成明朝体の中で最も細い(本文向きの)W3よりも細いのだ。
ただでさえ明朝体は、横線が細く、文字を追いづらいので、僕はあまり好きじゃないんだよね。
どうしてこんなに細い設計にしたのだろうね?
一方で、MSゴシックに関しては、本文用としては少し太過ぎる気がする。
画像にあるように、平成角ゴシック体のW3より太く、W5と同程度の太さだ。
これは、MSゴシックのベースになったリョービ(現在はモリサワにフォント事業譲渡)の『ゴシック』というフォントのB(ボールド)ウェイトが採用されたことが起因しているんだけど、もう少し細いウェイトを採用した方が良かったんじゃないだろうか?
実際に、リョービからリコーにライセンスされている『HGゴシック』に関しては、Bより太くシッカリした見出し向きのEウェイトの他に、Bより細い本文向きのMウェイトも用意されているしね。(僕はWin標準フォントしか使えない環境では、MSフォントを避けてこのフォントを使うことが多い)
MS明朝を本文に、MSゴシックを強調や見出し部分に使う…という使用例もあるくらいなので、MSゴシックを本文に使うのはきついものがあると思うんだよね。
ビットマップ(画面表示)用フォントとしてのMSゴシックは、そんなに太く見えるものじゃないんだから、もう少し本文でもストレスにならない、読みやすい太さに設計できなかったのかな?と思う。
また、Wikipediaの「平成角ゴシック」の項目によれば、平成角ゴシック体の場合は、「ベタ組が基本となるシステムでの利用を考慮し、平成明朝同様ふところを広くとり仮想ボディ一杯のタイプフェイスとすることで、可読性を確保した。」そうだ。
それと比べると、MSフォントは、かな文字の大きさが小さく見える。
プロポーショナルフォントであるMS Pゴシック(明朝)を使う人以外で、わざわざMSフォントをツメ組して使う人は少ないと思うし、もう少し大ぶりにデザインして欲しかったかな~。
ま、ベースになっているフォントがリョービの『ゴシック』と『本明朝』なので(どちらもかな文字の大きさが微妙)、仕方ないんだけどね。
もうひとつ思うことは、MSゴシックもMS明朝も、なぜファミリー化されていないのか?ということだ。
これらのフォントをよく使う人は、より太くしたい時に、すぐ擬似ボールド機能に頼っている(『フォントの独り言』#01でも少し取り上げた)。
Winを使う多くの人が用いるMSフォントが早い段階でファミリー化されていれば、フォントについてそれほど知識のない人でも、必要に応じてウェイトを切り替えて、擬似ボールド機能を使うよりもフォントをきれいに魅せる、ということができたんじゃないだろうか?
(それでもフリーフォントにファミリー化されたフォントが多く出てきたので、擬似ボールド機能を使用せず、意識的に違うウェイトのフォントを使おうと思う人が増えてきているような気はする)
これを言うと「は?」と思われそうだが、正直僕は、MSフォントについて、デザイン面への不満はそれほど抱いていない。
デフォルト感が強くて何度も見たくない、とは思うけどね(笑)。
決して良いデザインとは言えないと思うが、デザイン面よりも、先述したように太さの面とかファミリー化されていない所とか、“使いやすさ”の面が重視されていない所の方がイタイと思うんだよ。
それほど良いデザインではなくても、使いやすさについて配慮されていれば、プロのデザインに用いることはできなくても、一般的な文書では、それなりに使いやすいフォントにすることができたのではないか、と思う。
以上。来月の記事もお楽しみに~。ィヨロシク!!
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