20年以上遅い!?フォントの著作権問題 2017/07/28(Fri)
PCに標準でインストールされているフォント。あるいは、Officeソフトや年賀状ソフトなどにバンドルされているフォント。
気軽に使えることもあり、Windowsだと、そういったフォントを好んで使う人もいるが、それらに著作権があることを認識している人ってどれくらいいるだろう?そのフォントは、印刷物なら良くても、動画サイトに上げる動画のテロップに使って大丈夫なのか?ちゃんと調べて使っているのだろうか?そもそもそのフォントで何気なく打っている一文字一文字全てが、どこかの書体デザイナーやアマチュアの作者さんによって、長い時間をかけて、丹精込めて作られたものだと、どのくらいの人が認知しているのだろう?
…僕は「著作権があることを認識している人」と先述したが、「二次使用権について理解している人」と書くべきか悩んだ。しかし、現実は、二次使用権云々以前に、そもそもフォントに著作権なんてあるの?と考えているか、あるいはそんなことは考えたこともない人が大半だと思う。実際、僕がフォントを作っていることを以前ある人に話したら、「フォントって、『あいうえお』を作れば『かきくけこ』が自動的にできるようなものじゃないの?」と真面目な顔で聞かれたことがあり、閉口した覚えがある(笑)。
―― 一番言いたいことを単刀直入に言うと、仮に今になって、フォントの著作権について見直されることがあったとしても、もう遅いと思う。こういうことは、プロだけでなく、一般の人でも気軽にフォントに触れられるようになったデジタルフォント黎明期(20年以上前)に(一般の人がフォントについて今よりもずーっと無知だったうちに)考えられ、しっかりと確立されるべきだったのでは?
特にテレビテロップで使う際の、フォントへの著作権の認識は甘々に見える。
でもこういった事例は、あくまで氷山の一角だろう…。フォントを正しく使用しているか、その使用状況なんて、まず注目されないからね。
僕は、フォントのデザインや、それを配布(販売)している作者さんやベンダーだけでなく、それぞれのフォントの使用条件までも綿密に確認している。
だから、「本来二次使用料を払わなきゃいけないけど、これって払っていないよね…?」なんて疑いの目でフォントを見ることは時々ある。
テレビのテロップについては、その真偽が(断定はできないが)非常にわかりやすい。例えば、FontGallery(キヤノン、販売終了)やFONTWIRE(データクラフト、販売終了)、FONT×FAN(FONTWIREの後継的存在)など、複数のフォントベンダー(異なる使用条件)のフォントが収録されているパッケージフォントで、なおかつそれらをどれもこれも使用している際には、二次使用料を払わずに使用している可能性が高いなと疑う。
もちろん僕の憶測の可能性もあるが、使用条件の違うベンダーごとに、何かとやりたい放題の汚れたテレビ局や番組制作会社が、いちいち各社に許可を取ったり、使用料を払ったりしているのだろうか?って思っちゃうんだよ。
これは僕個人的な勝手な意見だが、先述のテレ朝の例のように、二次使用権を確認せず使用したり、1台分のライセンスしか買っていない癖に、社内の複数台のPCにインストールしたり…なんてことは、昨今のフォントへの著作権の認識を鑑みても、実は割とよくあることなんじゃないか…?なんて思っている。(一般的なデザインの会社でもありうることかもしれない)
テレビテロップでなくとも、印刷物でも「あれ?これ大丈夫なの??」と思う使用例はたまにある。
個人利用限定の試用版のフォントが、商業印刷物のロゴに使われているのを見かけたり…。アウトライン化しての加工を禁じているフォント(それがしたい場合、別途契約が必要)が、明らかにアウトライン化して加工されていたり…。もちろん、許可を取っている可能性もあるだろうし、不正利用だという確証もないけどね。
結局は、ユーザーの良心に委ねられるんだろうなぁ…。
フォントについても、他の作品と同様に、予め意匠登録なんかができれば、有名なゴナ・新ゴ問題のように、似ている・似ていないとか、パクリだとか、争われずに済んだのかな。
フォントのことを知り過ぎてくると……ついつい邪推してしまうのです(笑)。それが単なる邪推なのか、それとも…??は、神のみぞ知る領域だ。
以上、ィヨロシク!!
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PCに標準でインストールされているフォント。
あるいは、Officeソフトや年賀状ソフトなどにバンドルされているフォント。
気軽に使えることもあり、Windowsだと、そういったフォントを好んで使う人もいるが、それらに著作権があることを認識している人ってどれくらいいるだろう?
そのフォントは、印刷物なら良くても、動画サイトに上げる動画のテロップに使って大丈夫なのか?
ちゃんと調べて使っているのだろうか?
そもそもそのフォントで何気なく打っている一文字一文字全てが、どこかの書体デザイナーやアマチュアの作者さんによって、長い時間をかけて、丹精込めて作られたものだと、どのくらいの人が認知しているのだろう?
…僕は「著作権があることを認識している人」と先述したが、「二次使用権について理解している人」と書くべきか悩んだ。
しかし、現実は、二次使用権云々以前に、そもそもフォントに著作権なんてあるの?と考えているか、あるいはそんなことは考えたこともない人が大半だと思う。
実際、僕がフォントを作っていることを以前ある人に話したら、「フォントって、『あいうえお』を作れば『かきくけこ』が自動的にできるようなものじゃないの?」と真面目な顔で聞かれたことがあり、閉口した覚えがある(笑)。
―― 一番言いたいことを単刀直入に言うと、仮に今になって、フォントの著作権について見直されることがあったとしても、もう遅いと思う。
こういうことは、プロだけでなく、一般の人でも気軽にフォントに触れられるようになったデジタルフォント黎明期(20年以上前)に(一般の人がフォントについて今よりもずーっと無知だったうちに)考えられ、しっかりと確立されるべきだったのでは?
特にテレビテロップで使う際の、フォントへの著作権の認識は甘々に見える。
でもこういった事例は、あくまで氷山の一角だろう…。
フォントを正しく使用しているか、その使用状況なんて、まず注目されないからね。
僕は、フォントのデザインや、それを配布(販売)している作者さんやベンダーだけでなく、それぞれのフォントの使用条件までも綿密に確認している。
だから、「本来二次使用料を払わなきゃいけないけど、これって払っていないよね…?」なんて疑いの目でフォントを見ることは時々ある。
テレビのテロップについては、その真偽が(断定はできないが)非常にわかりやすい。
例えば、FontGallery(キヤノン、販売終了)やFONTWIRE(データクラフト、販売終了)、FONT×FAN(FONTWIREの後継的存在)など、複数のフォントベンダー(異なる使用条件)のフォントが収録されているパッケージフォントで、なおかつそれらをどれもこれも使用している際には、二次使用料を払わずに使用している可能性が高いなと疑う。
もちろん僕の憶測の可能性もあるが、使用条件の違うベンダーごとに、何かとやりたい放題の汚れたテレビ局や番組制作会社が、いちいち各社に許可を取ったり、使用料を払ったりしているのだろうか?って思っちゃうんだよ。
これは僕個人的な勝手な意見だが、先述のテレ朝の例のように、二次使用権を確認せず使用したり、1台分のライセンスしか買っていない癖に、社内の複数台のPCにインストールしたり…なんてことは、昨今のフォントへの著作権の認識を鑑みても、実は割とよくあることなんじゃないか…?なんて思っている。(一般的なデザインの会社でもありうることかもしれない)
テレビテロップでなくとも、印刷物でも「あれ?これ大丈夫なの??」と思う使用例はたまにある。
個人利用限定の試用版のフォントが、商業印刷物のロゴに使われているのを見かけたり…。
アウトライン化しての加工を禁じているフォント(それがしたい場合、別途契約が必要)が、明らかにアウトライン化して加工されていたり…。
もちろん、許可を取っている可能性もあるだろうし、不正利用だという確証もないけどね。
結局は、ユーザーの良心に委ねられるんだろうなぁ…。
フォントについても、他の作品と同様に、予め意匠登録なんかができれば、有名なゴナ・新ゴ問題のように、似ている・似ていないとか、パクリだとか、争われずに済んだのかな。
フォントのことを知り過ぎてくると……ついつい邪推してしまうのです(笑)。
それが単なる邪推なのか、それとも…??は、神のみぞ知る領域だ。
以上、ィヨロシク!!
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