シネマフォント比較:モリサワ vs FW vs ダイナ 2017/06/18(Sun)
動画のテロップなどで人気の映画字幕風の(シネマ)フォント。
10年くらい前に、フォントワークスが『ニューシネマA・B』をリリースしてから、それらがかなり人気な印象だったが、最近では、モリサワやダイナフォントもシネマフォントをリリースしている。
ここでは、モリサワ・FW・ダイナの3社のシネマフォントを見比べてみようと思う。いつも言っているように、僕なりの解釈になるけどね(笑)。
まず、シネマフォントではお馴染みのFWの『ニューシネマ』。AとBの2種類が用意されている(以下の説明参照)。
映画の字幕を目的として、極力《クセのない》ことを意識してデザインされた手書き風の字幕書体です。
多くの映画の字幕文字の実績をもつ佐藤英夫氏の「シネマフォント」がベースとなっています。
映画やDVDの字幕はもちろん、TVコマーシャルとして、またチラシやポスターなどの紙媒体にも適しています。
正字体のニューシネマAに対して、ニューシネマBは略字体を採用し、さらに“空気穴あき”という映画字幕特有のデザインが施されています。
また、独特な個性をもつBは古い映画のイメージや手書きの雰囲気を表現するのに最適な書体です。
↓上からA、B実際のニューシネマシリーズの使用例を見ていると、AよりもBの方が使用頻度が高い気がする。
字幕がどのように作られているか、僕は詳しくないが、文字(特に漢字)の随所に空気穴があけられていることで、ステンシル調のポップな文字に見えてかわいく見える。だから僕はAとBなら、Bの方が好きかな~。
さて、今度はモリサワのシネマレターだ。
シネマレターの紹介ページには…「シネマレター」は、およそ30年にわたり、映画字幕文字を書き続けている職人の文字をもとに作成されました。映画の字幕は、書いた文字から版を起こし、フィルムに直接、文字を刻みつけていました。その際に版とフィルムがはがれやすいように、画線に隙間をあけて文字を描くのが通例でした。また、スクリーン上で文字が見やすいように独特の骨格で設計されており、画線の両端に筆止めを持たせているのも映画字幕文字の特徴です。「シネマレター」が持つレトロな雰囲気は、映画関係のデザインのみならず、雑誌、広告、チラシのキャッチやコピーから、あたたかみを演出したい本文などに活用することができます。『ニューシネマ』よりも後にリリースされたフォントだ。ニューシネマや後述のシネマ凜と異なり、バリエーションはこの1種類のみ。
ニューシネマと比べると、ちょっと細め。僕が以前TypeSquareでWebフォントとして使おうと思ったら、本文16pxでは細過ぎて使い物にならなかった(笑)。
ニューシネマは王道の「映画字幕風フォント」というイメージだが、シネマレターはちょっと“ペン字”寄り。また、ニューシネマが長体なデザインなのに対して、シネマレターは大ぶりだから、読みやすさには配慮していると思う。
でもできたらもう少しだけ太いものも用意して欲しいかな(^_^;)
そしてダイナの『シネマ凜 』。異体字に右下が「示」の字(凛)もあるが、このフォントの名前では「禾」の方(凜)を書く。
シネマ凜の紹介ページには…長年、映画などの字幕を手掛けてきた字幕師の手書き文字を基に開発した字幕書体です。字幕師本人が書いた手書き文字の個性を最大限に活かし、躍動感を感じさせる感情表現豊かな書体になっています。映像作品のテロップやキャッチコピーなどにオススメで、コンテンツをドラマティックに演出します。
↓上からW3、W4ニューシネマやシネマレターよりも、手書きの温かみがより感じられて大好きなフォントだ。太さも2種類用意されているしね。
ただ、かな文字の癖が強いからか、かな文字の大きさにばらつきがあるように見えて、気持ち悪くも見える。(それは抑揚があって楽しいデザイン、とも捉えられるんだけど…)多くの文字がちゃんと正方形の中にデザインされているように見えるのに、「て」「で」「と」「る」などは、あたかも逆三角形「▽」の中でデザインされたような感じで、他の文字と一緒に組むとアンバランスに見えてしまう気がする…。
一番癖が少なく読みやすいのはニューシネマかな。
しかし、ペン字体風の味を残している点では、シネマ凜が好きかも。シネマレターは大ぶりで一文字一文字がはっきり読みやすいのが利点だと思う。
――ここで紹介したシネマフォントはほんの一部だ。他にも、名前こそあまり知られていないけど、映画字幕風に使えるフォントがたくさんある。「映画字幕風」 と銘打っていなくても、それっぽく使える手書き風フォントやデザインフォントがあったりする。
これがゴシック体や明朝体だったら…映画の雰囲気は間違いなく再現できないだろう。フォントって本当 に大切なものなのです。
以上、ィヨロシク!!
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動画のテロップなどで人気の映画字幕風の(シネマ)フォント。
10年くらい前に、フォントワークスが『ニューシネマA・B』をリリースしてから、それらがかなり人気な印象だったが、最近では、モリサワやダイナフォントもシネマフォントをリリースしている。
ここでは、モリサワ・FW・ダイナの3社のシネマフォントを見比べてみようと思う。
いつも言っているように、僕なりの解釈になるけどね(笑)。
まず、シネマフォントではお馴染みのFWの『ニューシネマ』。
AとBの2種類が用意されている(以下の説明参照)。
映画の字幕を目的として、極力《クセのない》ことを意識してデザインされた手書き風の字幕書体です。
多くの映画の字幕文字の実績をもつ佐藤英夫氏の「シネマフォント」がベースとなっています。
映画やDVDの字幕はもちろん、TVコマーシャルとして、またチラシやポスターなどの紙媒体にも適しています。
多くの映画の字幕文字の実績をもつ佐藤英夫氏の「シネマフォント」がベースとなっています。
映画やDVDの字幕はもちろん、TVコマーシャルとして、またチラシやポスターなどの紙媒体にも適しています。
正字体のニューシネマAに対して、ニューシネマBは略字体を採用し、さらに“空気穴あき”という映画字幕特有のデザインが施されています。
また、独特な個性をもつBは古い映画のイメージや手書きの雰囲気を表現するのに最適な書体です。
また、独特な個性をもつBは古い映画のイメージや手書きの雰囲気を表現するのに最適な書体です。
↓上からA、B
実際のニューシネマシリーズの使用例を見ていると、AよりもBの方が使用頻度が高い気がする。
字幕がどのように作られているか、僕は詳しくないが、文字(特に漢字)の随所に空気穴があけられていることで、ステンシル調のポップな文字に見えてかわいく見える。
だから僕はAとBなら、Bの方が好きかな~。
さて、今度はモリサワのシネマレターだ。
シネマレターの紹介ページには…
「シネマレター」は、およそ30年にわたり、映画字幕文字を書き続けている職人の文字をもとに作成されました。映画の字幕は、書いた文字から版を起こし、フィルムに直接、文字を刻みつけていました。その際に版とフィルムがはがれやすいように、画線に隙間をあけて文字を描くのが通例でした。また、スクリーン上で文字が見やすいように独特の骨格で設計されており、画線の両端に筆止めを持たせているのも映画字幕文字の特徴です。「シネマレター」が持つレトロな雰囲気は、映画関係のデザインのみならず、雑誌、広告、チラシのキャッチやコピーから、あたたかみを演出したい本文などに活用することができます。
『ニューシネマ』よりも後にリリースされたフォントだ。
ニューシネマや後述のシネマ凜と異なり、バリエーションはこの1種類のみ。
ニューシネマと比べると、ちょっと細め。
僕が以前TypeSquareでWebフォントとして使おうと思ったら、本文16pxでは細過ぎて使い物にならなかった(笑)。
ニューシネマは王道の「映画字幕風フォント」というイメージだが、シネマレターはちょっと“ペン字”寄り。
また、ニューシネマが長体なデザインなのに対して、シネマレターは大ぶりだから、読みやすさには配慮していると思う。
でもできたらもう少しだけ太いものも用意して欲しいかな(^_^;)
そしてダイナの『シネマ凜 』。
異体字に右下が「示」の字(凛)もあるが、このフォントの名前では「禾」の方(凜)を書く。
シネマ凜の紹介ページには…
長年、映画などの字幕を手掛けてきた字幕師の手書き文字を基に開発した字幕書体です。字幕師本人が書いた手書き文字の個性を最大限に活かし、躍動感を感じさせる感情表現豊かな書体になっています。映像作品のテロップやキャッチコピーなどにオススメで、コンテンツをドラマティックに演出します。
↓上からW3、W4
ニューシネマやシネマレターよりも、手書きの温かみがより感じられて大好きなフォントだ。
太さも2種類用意されているしね。
ただ、かな文字の癖が強いからか、かな文字の大きさにばらつきがあるように見えて、気持ち悪くも見える。(それは抑揚があって楽しいデザイン、とも捉えられるんだけど…)
多くの文字がちゃんと正方形の中にデザインされているように見えるのに、「て」「で」「と」「る」などは、あたかも逆三角形「▽」の中でデザインされたような感じで、他の文字と一緒に組むとアンバランスに見えてしまう気がする…。
一番癖が少なく読みやすいのはニューシネマかな。
しかし、ペン字体風の味を残している点では、シネマ凜が好きかも。
シネマレターは大ぶりで一文字一文字がはっきり読みやすいのが利点だと思う。
――ここで紹介したシネマフォントはほんの一部だ。
他にも、名前こそあまり知られていないけど、映画字幕風に使えるフォントがたくさんある。
「映画字幕風」 と銘打っていなくても、それっぽく使える手書き風フォントやデザインフォントがあったりする。
これがゴシック体や明朝体だったら…映画の雰囲気は間違いなく再現できないだろう。
フォントって本当 に大切なものなのです。
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