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UD新ゴ(モリサワ)とUD角ゴ(FW)比較
2017/04/26(Wed)
ここの情報は、2017年春時点のものです。2017年12月に、UD角ゴ ラージ・スモールはさらに追加で2ウェイト(UL・EL)がリリースされています。

僕のMORISAWA PASSPORT アカデミック版、及び学生向けLETSの期限が来年春までに切れてしまうので、せっかくだし、両方のUD角ゴシック体の比較をしてみようと思う。
僕のUDフォントに対する偏見とか、今回は抜きにしてね。

※スマホ・タブレットなどで画像が小さくて見づらいという人は、タップして拡大して見てね。




2015年に、フォントワークスから初めてUDフォントがリリースされた。

そして今年(2017年)になって、『UD角ゴ ラージ・スモール』の8ウェイトが揃った。
2016年まではL,R,M,DB,Bと、比較的細めのウェイトしかリリースされておらず、それっきりになるのかと思っていたが(あくまでUDフォントは本文向きという考え方から)、ちゃんと極太ウェイト(E,H,U)も作ってくれたようだ。
UD角ゴラージファミリー
↑これは、ほぼニューロダンベースのUD角ゴの「ラージ」フォントのファミリーと英数字。
FWフォントって、ウェイト表記は大抵L,M,DB,B,EB,UBか、L,R,M,D,B,E,H,Uのどちらかであることが多かったのだが、このUDフォントは、L,R,M,DB,B,E,H,Uとなっている。(何でここまでバラバラにしたの?)

ちなみにUD新ゴってのはプロのデザイナーの方々はお馴染みのこのフォント。↓
UD新ゴファミリー↑L,R,M,DB,B,Hの6ウェイトで構成されている。

ウェイトだけ見ると、FWのUD角ゴよりも、最も細いLウェイトが若干太めに見え、HウェイトもUD角ゴのH,Uウェイトよりも細く見えるくらい。
ベースになった新ゴには、EL,Uウェイトまであったんだから、それも含めたら良かったのにね。
(だけど不可解なことに、今回取り上げないけど、このUD新ゴのコンデンスフォントでは、EL,Uウェイトが含まれているのです…。僕には全く意味がわからない)


――さて、まずFWのUD角ゴについてなんだけど、「ラージ」と「スモール」がある。
それぞれかなの大きさが異なるんだよね。
以下が「スモール」。先述の「ラージ」の画像と比べて頂くと、かなの大きさが何となく違うのがわかるはずだ。
UD角ゴスモールファミリー
もともとニューロダンよりも新ゴの方がかなが小さめだから、UD角ゴは、この「スモール」の方がUD新ゴに近いかもしれない。

そこで、UD新ゴと、UD角ゴスモールを比較してみよう。

UD新ゴ(Lウェイト)↓
UD新ゴ組見本
UD角ゴスモール(Rウェイト)↓
UD角ゴスモール組見本 
ここで感じた僕の印象。

UD新ゴ(モリサワ)
  • 一文字一文字のデザインが比較的手書きに近く、親しみやすくて、かつ読みやすい。
  • 文章にすると、少々スムーズに文字を追いにくい(ベースの新ゴではそう感じないんだけど…)。
UD角ゴ(FW)
  • UD新ゴよりも文字を構成する直線が横組みに適した印象で、文章にすると読みやすい。
  • 一文字一文字を見ると、癖が強い(ベースのニューロダン自体がそう)。
 
僕個人の見解だが、率直に言うと、ベースになったフォント(新ゴ、ニューロダン)のテイストをできるだけ崩さないように慎重に作ってあるという点で、UD角ゴの方がきれいに見えるし、読みやすいと思う。

↓は濁点・半濁点比較。UD新ゴL(上)とUD角ゴR(下)。
森FWUD濁点比較 
UD新ゴは、3年前に「『UD新ゴ』についての考察」でも述べたが、濁点・半濁点の付け方がわざとらしく見えるんだよね。
なんか、UDフォントの先駆であるイワタのコンセプト(こちらを参照)を不器用に真似たような感じだ。
一文字一文字は読みやすいんだけど、文章にするとあまり読みやすい感じがしない。

一方で、UD角ゴは、UD新ゴよりもずっと後のリリースだった所から、UD新ゴの失敗点を踏まえて、丁寧に作られているように見える。
UD新ゴと違い、濁点・半濁点を大きめに見やすくはデザインしてあるものの、それが付けてある文字のデザインはできるだけ崩れないよう、慎重にデザインされてあるのがよくわかる。
ただ、濁点の線は長過ぎて、その点は、UD新ゴに通ずる“くどさ”が感じられる。
「ブ」「ポ」などの濁点・半濁点は、位置がかなり中途半端な気がして違和感がある。

英数字は…(UD新ゴL(上)とUD角ゴR(下))
森FWUD英数字比較
パッと見、似たようなデザインに見えるかもしれないが、僕には、数字に関しては、UD新ゴよりUD角ゴの方が、懐を大きく大胆にとっているように見える。
だから、判読性は高いと思う。

ただ、欧文は気になる所があって、UD角ゴでは、小文字エル「l」と大文字アイ「I」の区別がつかないよね。
UDフォントっていうなら、ここはめちゃくちゃ大事な所では?
実際によく言われているし、ここの判読性について配慮すべきことは、充分想定できたと思うが。
そこはちょっと、UDフォントとはいえデザイン性を失わないように、って所を意識し過ぎたように思う。

数字に関しては、読みやすさでなく、デザインの面だけ見れば、UD新ゴの方が好きかな。
それからUD新ゴの方が、英字・数字共に、潔い直線・曲線で構成されていて、スマート、かつクールに見えるのだ。
和文と異なり、英数字の安定感は、UD新ゴの方が上かもしれない。



――しかし、正直な所、こんなにUDフォントで競ってどうなるのだろう、というのが、僕の正直な感想。

以前からTwitterでもよくツイートしていたんだけど、UDフォントをリリースしている各社で、「何を持って“UDフォント”とするか?」(コンセプト)が、ほとんど一緒なんだよね。
どこも、UDフォントを最初(2006年)にリリースしたイワタの考え方にのっとっているような。

何をもって視認性や可読性に優れているかなど、誰にもわからない。
人によっても違うだろうしね。
だから、それぞれの会社が、それぞれのUDフォントについてのコンセプトを考えて、それにのっとって作るべきだったんだよ。
各社が慎重に考えた結果なら、極端な話、POP体や丸文字体がUDフォントでも良かったと思う。

モリサワやフォントワークスもそうだけど、自社のUDフォントの可読性についての研究結果とか、そんなものを発表しているけど、それが何になるの?
フォントを作る人も、それを使う人も、それを目にする人も皆人間なんだから、自分達の「目」で見て判断するのが一番良かったはずでしょ?
複数のデザイン案を用意して、幅広い年代の人(フォントに詳しくない素人)にアンケートを取って、どれが読みやすいと思ってもらえるか調査するとかできたんじゃないの?


僕がUDフォントを嫌うのは、UDフォント自体を否定しているわけでなく、それにのっかっているフォントの会社が、しょーもない競争のためにUDフォントを「便利な道具」にしていることなのだ。

ま、言っても仕方ないけど、結局は利益なんだろうね。
夢より利益を上げなくては」…か(笑)。


以上、ィヨロシク!!
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