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なぜ創英角ポップ体は嫌われるのか
2015/04/17(Fri)
『創英角ポップ体』と呼ばれるフォント。
創英企画(公式→☆彡2017年春に消滅したのを確認)ってフォントベンダーの水本恵子氏が作って、リコーが販売しているフォントね。(過去にはキヤノンでも販売されていた)
あまり知られてないようだが、公式には創英ポップ1やPP1と呼ばれているようだ。
PP1見本

「遊び心と親しみやすさ。 グラフィカルで人目を引く太めのデザイン。POP・チラシ・看板・ステッカー・タイトル等に適しています。」(創英企画のHPより抜粋)。

リコーがライセンスを取得して販売している『HG創英角ポップ体』がMS Officeにバンドルされている。
だからこのフォントの存在を知らない人はほとんどいないと思う。
有償フォントを持たない人からすると、ポップ体といえば創英角ポップ体、という印象が強く根付いてるようだ。

このフォント、「ダサい」と批判されることがしばしばあるんだよね。
「創英角ポップ ダサい」と検索すれば、もう批判の嵐だ(笑)。

Twitterでも時々言ってるんだけど、僕はこのフォントがダサいとは思わない。
そう思われる原因がユーザーにあるということに、大半の人は気付かない(なぜ??)。
今回はこの件について少し考えてみたいと思う。

ではユーザーにどういう問題があるのだろうか?
どういう問題があり、また、それと創英角ポップ体が嫌われることと、どういう繋がりがあるのかを考えていく。


まず案外みんな気付いていそうで気付いていないのは(たぶんプロでも気付いてない人はいる)、一般的に、ポップ体はインパクトがある分読みづらい(可読性が低い)のだ。
「読みづらい」というのはちょっと極端な言い方かもしれない。
もう少し言うと、創英角ポップ体やその他のポップ体に限らず、ゴシック体や明朝体と違う、個性の強いフォントというのは、見た目(かわいさ、面白さ)を重要視して作られている。だから読みやすさを求めるとどうしても限界があるのだ。

一方で、ゴシック体や明朝体は、だらだら文字が続く本文で、さらには様々な分野で使われることを想定して作られているから、偏ったイメージも少ない。(悪く言えば堅苦しい、冷たいイメージもないことはないんだけどね。)
何より読みやすさでゴシック体や明朝体に勝るものは(基本的には)ないと考えても良いだろう。
だから、それなりに見栄えのするデザインにしようと思ったら、基本的には目的に関係なく、本文など長く「読ませる」ところには、ゴシック体や明朝体を選んでやった方が良いはずなのだ。

でもそれだけだと前で述べたように冷たく(堅苦しく)見えるから、たまにちょこっと遊び心でポップな(個性の強い)フォントを入れてやる、という使い方が基本だと思う。
ゴシック体や明朝体を基本に、その中に上手くポップ体を入れ込んでメリハリをつけると、締まりのあるデザインになる(とtakumiは思ってる)。

しかしそういうことがわからない人は、本文など、長く「読ませる」ところにまでポップなフォントを使ってしまう。
特に創英角ポップ体は太さ的には見出し向きだから、本文で使うと、その太さと文字のインパクトが目に入って、文字を追うのにとても疲れてしまう。

嫌な言い方だけど、センスのない人は、かわいく、楽しく見せようと思ったらとにかくポップ体とか、インパクトがあって目立つフォントを使えば良い、って思ってるからね。
わかると思うけど、それが何より問題なのだ。
そうするとやっぱり締まりのない文書になるから、ダサく見えるのは当然。
それは別に創英角ポップ体に限った話じゃないから、このフォントだけを批判するのはおかしいってわかるよね。

また、フォントを使わない人は、「ポップ体=創英角ポップ体」って思っているんじゃないか?
これは冒頭でも述べたけど、フォントをいちいち買って使わない人からすると(そもそもフォントは売られていることすら知らない人も多いよね)、ポップ体はMS Officeをインストールすれば同時に入ってくる創英角ポップ体のことなんだ、という印象が強いと思うんだよ。

自分好みのフォントを探して買って使う人と違い、買わない人はどうしても同じフォントばかり使ってしまう。
だっていろんなフォントが他にあるんだって知らないんだもの。これは仕方ないけどね。
だからフォントを買わない人たちの間では、同じようなフォントを使ったデザインばかりが行き渡る。


ポップ体とひとくちに言っても、かなり数多くの種類がある。
そのどこまでを“ポップ体”とするのかも、いろんな見方があるし、僕にもわからない。

でもそれを知らない人は、創英角ポップ体がポップ体なんだ、って思ってるわけだよね。
本当は、ただ見慣れちゃっただけなんだよ。
フォントを買って使わない(使えない)人が多いから、みんな同じフォントばかり使う。
ポップ体もそう、創英角ポップ体ばかり。それらばかり見慣れちゃってうんざりした。ただそれだけなんだよね。
いつもいつも創英角ポップ体ばかり。しかもみんなポップ体というのは創英角ポップ体だけのことだと思ってる。だからそれが「ポップ体=創英角ポップ体=ダサい」に繋がってしまったのだろう。


あと、創英角ポップ体の“仲間”の存在って知られてるだろうか?

実は創英角ポップ体には、『創英丸ポップ体』(創英ポップ2、PP2)という仲間がいる。(このフォントはリコーのフォントパックで入手できる。
デザインしたのは、創英角ポップ体と同じ、水本恵子氏。
PP2見本
「現代的でライト感覚な丸ゴシック風ポップ体。POP・チラシ・商札・プライスカード等に適しています。タイトル部分のPP1と組み合わせて御使用いただけるようにデザインされた書体です。」(創英企画のHPより抜粋)

創英角ポップ体とはまた違ったインパクト、かわいさがあるよね。
余談だけど、写研もこういう大ぶりで個性の強いフォント(かな書体だけど)をリリースしていたから、案外そういうフォントに影響受けていたりしてね?!(フォント知らない人はわからないだろうけど、わかる人にはわかると信じてる。)

組み合わせて御使用いただけるように」作られているのに、MS Officeには片方(PP1=創英角ポップ体)のみしかバンドルされていない…。ここは考えて欲しかったなと思う。

フォントベンダーのいうような使い方(PP1と組み合わせて使う)をするかは別として、創英角ポップ体に比べて細めで、そもそもポップ体はポップ体でも創英角ポップ体とはデザインが全然違うから(それは当然だけど)、また違った使い道があると思うんだよね。

あくまで創英角ポップ体は、①太さ的には見出し向きであり、②ポップ体はこれだけではないし、③このフォントにこだわらずメリハリをつけることが大切、ということは、考えたことない人も覚えておくべきだと思うな。


つまりは、創英角ポップ体でなく、使う人(センスのない人)に問題があるということ。
もちろんフォントそのものの好き嫌いはあるかもしれないけど、それはいろんなフォントを見てから判断して欲しいな。

僕はここまでいろいろ言ったけど、必ずしもゴシック体や明朝体を基本にしたデザインにすることはないと思っている。
別に使いたかったら見出し向きの創英角ポップ体を本文に使ったって良いのだ。
それがイメージに合うこともあるかもしれないしね。
ただ、見る(読む)側に配慮せずに使っちゃうと、絶対に「また創英角ポップ体かよ…。ダサい。」と、批判する輩が現れるから、どういう人が読むのか、相手にどういうことを伝えたいのかをある程度考えておくことは大事だよね。

あと、文字サイズや行送り、その他文字の装飾、紙面にどうレイアウトするか、なども、細かく考えておいた方が良いよね。
フォント買うお金はもったいないから買いたくない、って人でも、やっぱり少しはいろんなフォントに触れる機会があればな、と思う。
OSや年賀状ソフトにバンドルされてるフォントだけだと、どうしても個性が出せないからね。
だからみんな似たり寄ったりなフォントばかり使ってしまう。 

今はフリーフォントだけでもかなり充実しているから、いろんなフォント使ってみて欲しいと思う。
使わなくても、この世にはどんなフォントがあるのか、どんな使用例があるのか、自分なりに見てみて、それと比べた上で、創英角ポップ体を見たら、また違うんじゃないかな。

創英角ポップ体も、広まり、気に入られ、でもその分批判され、デザイナーの人はどう思ってるんだろうね(笑)。

僕は創英角ポップ体が大好きだ。 
でもセンスのない人が使うと嫌いになる。
フォントなんてそういうものなんだよ。


以上、ィヨロシク!!
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