“新ゴ使えばいいじゃん”という考え方 2014/01/03(Fri)
最近日記ばかりだったから、こういう記事も、と思ったので書きたい。
ちょっとレポートっぽく書いてみようと思う。
学校の美術系の大学を卒業した先生や、プロのデザイナーの非常勤の先生の話、その他Twitterなどの情報、それに加え僕がフォントに興味を持ち始めてから4年間の間の経験。
全てを総合してわかったことは、「新ゴ使えばいいじゃない」というひとつの考え方があること。
この記事では、その考え方について考えてみる。
というのは、新ゴのクオリティいいよね、悪いよね、ではなく、単に「新ゴ使えばいいじゃない」という“考え方”について。
僕なりの考えでまとめていく。
おかしなことはできる限り書かないよう心がけるが、もしあったらお許し願いたい。
新ゴを見たことがない、という人はいないだろう。
毎日のように目にしているはずだ。
フォントをよく知らない人でも、こんな文字見たな~という記憶が残ってるんじゃないかと思う。
上から順に、EL,L,R,M,DB,B,H,Uウェイト。








↑こんな感じで太さが8種類ある、スタンダードなゴシック体。
さて、本題に入ろう。
なぜこのような考え方があるのだろうか。
1)『ゴナ』の代替フォントとして
これはフォントをそれなりに知っている人ならわかるだろう。
写研のフォント、ゴナ。
新ゴとこのフォントはよく似ているという考えから、「ゴナに近いフォントを使いた」くて新ゴを使う、というもの。
今はデジタルフォントが一般的になっているが、ゴナはデジタルフォント化されていないため、PC上で使うことができないのだ。
一方で新ゴはデジタルフォント化されており、PC上でも使うことができる。
だからPC上でも使えるゴナの代わりのフォントとして新ゴを選ぶのだ。
2)モリサワフォントだから
学校のプロのデザイナーの先生によると、文字組版の世界では、今はモリサワフォントが一般的らしい。
以前はモリサワフォントは単体購入しかできず高価なものだったが、現在は年間契約で契約期間中はモリサワの全書体を自由に使えるようになり、非常に使いやすくなったのもあるだろう。
そのため、プロはモリサワと契約をしていて、さらには基本モリサワフォントしか使わない、という人も多いと聞く。
そんなモリサワフォントの範疇で選べるゴシック体で使いやすいものがこれだったのだろう。
3)みんな新ゴを使っているから
前でも述べたように、新ゴが使われている場面は多い。
使いやすいフォントなのだろう。
だからみんな新ゴを使いたがる。
なら私も使えばいいか。
…そういう考え方で新ゴを選ぶのではないか。
ゴシック体でもそれ以外でも、使いやすいフォントは、自分でいろんなフォントを見て、使って、選んで、決めればいいと思う。
どのフォントが一番で、それを使えば正解、なんてことはないから。
しかし、みんな~してるから、と考える人はそういったことを考えず、それはフォントに関しても同じことが言えるのではないか、と思う。
4)やむを得ず新ゴを使う
基本、モリサワフォントしか使わない、となると、当然使えるフォントはそれだけに限られる。
では、やむを得ず、とはどういうことかについて考えよう。
これは僕の考えだが、モリサワフォントはラインナップはあまり充実していない。
もう少し言うと、ゴシック系、明朝系などの基本書体は網羅してくれているが、その他のデザイン書体などは他社に比べるとあまり数がないし、独特なフォントが多く、使う場面に悩むフォントが多いように思うのだ。
契約ではモリサワフォントだけでなく、ヒラギノフォントやタイプバンク・旧リョービフォントの一部が使えるが、もしこの契約でモリサワフォントしか使えなかったなら、モリサワと契約する人は今よりは減っていたんじゃないかと思う。(モリサワは上記のように使えるフォントのラインナップが充実していないから、“数”で勝負している面もあるのではないか、という僕の考え方だ。)
このフォントだとイメージに合わない…。
だからって他に自分のイメージに合うフォントはモリサワにはない…。
そうなった時に「どんな場面で選んでも少なくとも変にはならないだろう一番無難なフォント」として新ゴを選んでいるのではないだろうか。
最近では新ゴの他に、ユニバーサルデザインに配慮をしたい媒体向けの『UD新ゴ』などというフォントも出てきている。
このフォントが登場すると、新ゴが使われていた場面でこのUD新ゴへと移行された例が多く見られた。
その理由は、「ユニバーサルデザインに配慮して」「UDフォントブーム(?)の影響」など、使用する人の考えによって様々だと思うが。
ここからも「新ゴ使えばいいじゃん」と共通した考えが見えてくる。
このUD新ゴはユニバーサルデザインに配慮する際に最適なフォントだから使おう、というよりかは、ユニバーサルデザインに配慮をする場面で最適なフォントと(モリサワが)謳っているから、なんか知らないけどみんな使ってるから(新ゴ同様)、(「新ゴ使えばいいじゃん」と思っていた人が)UD新ゴは新ゴをベースにデザインされたフォントだから、今後はこのフォントを代わりに使ってもいいだろう、などなど。
僕は(少なくとも今は)プロのデザイナーではない素人だし、フォントのこともどこまで知ってるかと聞かれたら何とも言えないし、偉そうに言えた立場ではないかもしれない。
ただ、軽い考えでフォントを選ぶ人がいる、ということは事実だと思う。
これは新ゴに限ったことじゃないし、フォントに限ったことでもないだろう。
自分で見たり、聞いたり、調べたりして考えるって、大切だね。
周りに流さず、自分の考えをはっきりさせ、その考えに自信を持って動けるようにしたいものだ。
最後まで読んでくれてありがとう。ィヨロシク!!
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最近日記ばかりだったから、こういう記事も、と思ったので書きたい。
ちょっとレポートっぽく書いてみようと思う。
学校の美術系の大学を卒業した先生や、プロのデザイナーの非常勤の先生の話、その他Twitterなどの情報、それに加え僕がフォントに興味を持ち始めてから4年間の間の経験。
全てを総合してわかったことは、「新ゴ使えばいいじゃない」というひとつの考え方があること。
この記事では、その考え方について考えてみる。
というのは、新ゴのクオリティいいよね、悪いよね、ではなく、単に「新ゴ使えばいいじゃない」という“考え方”について。
僕なりの考えでまとめていく。
おかしなことはできる限り書かないよう心がけるが、もしあったらお許し願いたい。
新ゴを見たことがない、という人はいないだろう。
毎日のように目にしているはずだ。
フォントをよく知らない人でも、こんな文字見たな~という記憶が残ってるんじゃないかと思う。
上から順に、EL,L,R,M,DB,B,H,Uウェイト。








↑こんな感じで太さが8種類ある、スタンダードなゴシック体。
さて、本題に入ろう。
なぜこのような考え方があるのだろうか。
1)『ゴナ』の代替フォントとして
これはフォントをそれなりに知っている人ならわかるだろう。
写研のフォント、ゴナ。
新ゴとこのフォントはよく似ているという考えから、「ゴナに近いフォントを使いた」くて新ゴを使う、というもの。
今はデジタルフォントが一般的になっているが、ゴナはデジタルフォント化されていないため、PC上で使うことができないのだ。
一方で新ゴはデジタルフォント化されており、PC上でも使うことができる。
だからPC上でも使えるゴナの代わりのフォントとして新ゴを選ぶのだ。
2)モリサワフォントだから
学校のプロのデザイナーの先生によると、文字組版の世界では、今はモリサワフォントが一般的らしい。
以前はモリサワフォントは単体購入しかできず高価なものだったが、現在は年間契約で契約期間中はモリサワの全書体を自由に使えるようになり、非常に使いやすくなったのもあるだろう。
そのため、プロはモリサワと契約をしていて、さらには基本モリサワフォントしか使わない、という人も多いと聞く。
そんなモリサワフォントの範疇で選べるゴシック体で使いやすいものがこれだったのだろう。
3)みんな新ゴを使っているから
前でも述べたように、新ゴが使われている場面は多い。
使いやすいフォントなのだろう。
だからみんな新ゴを使いたがる。
なら私も使えばいいか。
…そういう考え方で新ゴを選ぶのではないか。
ゴシック体でもそれ以外でも、使いやすいフォントは、自分でいろんなフォントを見て、使って、選んで、決めればいいと思う。
どのフォントが一番で、それを使えば正解、なんてことはないから。
しかし、みんな~してるから、と考える人はそういったことを考えず、それはフォントに関しても同じことが言えるのではないか、と思う。
4)やむを得ず新ゴを使う
基本、モリサワフォントしか使わない、となると、当然使えるフォントはそれだけに限られる。
では、やむを得ず、とはどういうことかについて考えよう。
これは僕の考えだが、モリサワフォントはラインナップはあまり充実していない。
もう少し言うと、ゴシック系、明朝系などの基本書体は網羅してくれているが、その他のデザイン書体などは他社に比べるとあまり数がないし、独特なフォントが多く、使う場面に悩むフォントが多いように思うのだ。
契約ではモリサワフォントだけでなく、ヒラギノフォントやタイプバンク・旧リョービフォントの一部が使えるが、もしこの契約でモリサワフォントしか使えなかったなら、モリサワと契約する人は今よりは減っていたんじゃないかと思う。(モリサワは上記のように使えるフォントのラインナップが充実していないから、“数”で勝負している面もあるのではないか、という僕の考え方だ。)
このフォントだとイメージに合わない…。
だからって他に自分のイメージに合うフォントはモリサワにはない…。
そうなった時に「どんな場面で選んでも少なくとも変にはならないだろう一番無難なフォント」として新ゴを選んでいるのではないだろうか。
最近では新ゴの他に、ユニバーサルデザインに配慮をしたい媒体向けの『UD新ゴ』などというフォントも出てきている。
このフォントが登場すると、新ゴが使われていた場面でこのUD新ゴへと移行された例が多く見られた。
その理由は、「ユニバーサルデザインに配慮して」「UDフォントブーム(?)の影響」など、使用する人の考えによって様々だと思うが。
ここからも「新ゴ使えばいいじゃん」と共通した考えが見えてくる。
このUD新ゴはユニバーサルデザインに配慮する際に最適なフォントだから使おう、というよりかは、ユニバーサルデザインに配慮をする場面で最適なフォントと(モリサワが)謳っているから、なんか知らないけどみんな使ってるから(新ゴ同様)、(「新ゴ使えばいいじゃん」と思っていた人が)UD新ゴは新ゴをベースにデザインされたフォントだから、今後はこのフォントを代わりに使ってもいいだろう、などなど。
僕は(少なくとも今は)プロのデザイナーではない素人だし、フォントのこともどこまで知ってるかと聞かれたら何とも言えないし、偉そうに言えた立場ではないかもしれない。
ただ、軽い考えでフォントを選ぶ人がいる、ということは事実だと思う。
これは新ゴに限ったことじゃないし、フォントに限ったことでもないだろう。
自分で見たり、聞いたり、調べたりして考えるって、大切だね。
周りに流さず、自分の考えをはっきりさせ、その考えに自信を持って動けるようにしたいものだ。
最後まで読んでくれてありがとう。ィヨロシク!!
ちょっとレポートっぽく書いてみようと思う。
学校の美術系の大学を卒業した先生や、プロのデザイナーの非常勤の先生の話、その他Twitterなどの情報、それに加え僕がフォントに興味を持ち始めてから4年間の間の経験。
全てを総合してわかったことは、「新ゴ使えばいいじゃない」というひとつの考え方があること。
この記事では、その考え方について考えてみる。
というのは、新ゴのクオリティいいよね、悪いよね、ではなく、単に「新ゴ使えばいいじゃない」という“考え方”について。
僕なりの考えでまとめていく。
おかしなことはできる限り書かないよう心がけるが、もしあったらお許し願いたい。
新ゴを見たことがない、という人はいないだろう。
毎日のように目にしているはずだ。
フォントをよく知らない人でも、こんな文字見たな~という記憶が残ってるんじゃないかと思う。
上から順に、EL,L,R,M,DB,B,H,Uウェイト。








↑こんな感じで太さが8種類ある、スタンダードなゴシック体。
さて、本題に入ろう。
なぜこのような考え方があるのだろうか。
1)『ゴナ』の代替フォントとして
これはフォントをそれなりに知っている人ならわかるだろう。
写研のフォント、ゴナ。
新ゴとこのフォントはよく似ているという考えから、「ゴナに近いフォントを使いた」くて新ゴを使う、というもの。
今はデジタルフォントが一般的になっているが、ゴナはデジタルフォント化されていないため、PC上で使うことができないのだ。
一方で新ゴはデジタルフォント化されており、PC上でも使うことができる。
だからPC上でも使えるゴナの代わりのフォントとして新ゴを選ぶのだ。
2)モリサワフォントだから
学校のプロのデザイナーの先生によると、文字組版の世界では、今はモリサワフォントが一般的らしい。
以前はモリサワフォントは単体購入しかできず高価なものだったが、現在は年間契約で契約期間中はモリサワの全書体を自由に使えるようになり、非常に使いやすくなったのもあるだろう。
そのため、プロはモリサワと契約をしていて、さらには基本モリサワフォントしか使わない、という人も多いと聞く。
そんなモリサワフォントの範疇で選べるゴシック体で使いやすいものがこれだったのだろう。
3)みんな新ゴを使っているから
前でも述べたように、新ゴが使われている場面は多い。
使いやすいフォントなのだろう。
だからみんな新ゴを使いたがる。
なら私も使えばいいか。
…そういう考え方で新ゴを選ぶのではないか。
ゴシック体でもそれ以外でも、使いやすいフォントは、自分でいろんなフォントを見て、使って、選んで、決めればいいと思う。
どのフォントが一番で、それを使えば正解、なんてことはないから。
しかし、みんな~してるから、と考える人はそういったことを考えず、それはフォントに関しても同じことが言えるのではないか、と思う。
4)やむを得ず新ゴを使う
基本、モリサワフォントしか使わない、となると、当然使えるフォントはそれだけに限られる。
では、やむを得ず、とはどういうことかについて考えよう。
これは僕の考えだが、モリサワフォントはラインナップはあまり充実していない。
もう少し言うと、ゴシック系、明朝系などの基本書体は網羅してくれているが、その他のデザイン書体などは他社に比べるとあまり数がないし、独特なフォントが多く、使う場面に悩むフォントが多いように思うのだ。
契約ではモリサワフォントだけでなく、ヒラギノフォントやタイプバンク・旧リョービフォントの一部が使えるが、もしこの契約でモリサワフォントしか使えなかったなら、モリサワと契約する人は今よりは減っていたんじゃないかと思う。(モリサワは上記のように使えるフォントのラインナップが充実していないから、“数”で勝負している面もあるのではないか、という僕の考え方だ。)
このフォントだとイメージに合わない…。
だからって他に自分のイメージに合うフォントはモリサワにはない…。
そうなった時に「どんな場面で選んでも少なくとも変にはならないだろう一番無難なフォント」として新ゴを選んでいるのではないだろうか。
最近では新ゴの他に、ユニバーサルデザインに配慮をしたい媒体向けの『UD新ゴ』などというフォントも出てきている。
このフォントが登場すると、新ゴが使われていた場面でこのUD新ゴへと移行された例が多く見られた。
その理由は、「ユニバーサルデザインに配慮して」「UDフォントブーム(?)の影響」など、使用する人の考えによって様々だと思うが。
ここからも「新ゴ使えばいいじゃん」と共通した考えが見えてくる。
このUD新ゴはユニバーサルデザインに配慮する際に最適なフォントだから使おう、というよりかは、ユニバーサルデザインに配慮をする場面で最適なフォントと(モリサワが)謳っているから、なんか知らないけどみんな使ってるから(新ゴ同様)、(「新ゴ使えばいいじゃん」と思っていた人が)UD新ゴは新ゴをベースにデザインされたフォントだから、今後はこのフォントを代わりに使ってもいいだろう、などなど。
僕は(少なくとも今は)プロのデザイナーではない素人だし、フォントのこともどこまで知ってるかと聞かれたら何とも言えないし、偉そうに言えた立場ではないかもしれない。
ただ、軽い考えでフォントを選ぶ人がいる、ということは事実だと思う。
これは新ゴに限ったことじゃないし、フォントに限ったことでもないだろう。
自分で見たり、聞いたり、調べたりして考えるって、大切だね。
周りに流さず、自分の考えをはっきりさせ、その考えに自信を持って動けるようにしたいものだ。
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