#69 筆文字なのにキュート? 江戸文字「風雲」 2023/09/10
NIS Fontのラインナップに『江戸文字「風雲」』というフォントがある(以下、「風雲」)。
毛筆のテイストを持つデザインフォントで、NIS Fontのサブスク「NIS Ticket」を契約していれば利用できる他、単体での購入も可能だ。
今回は「風雲」について、思うことを話そうと思う。
まず「風雲」とは、こんなフォント↓
フォントの名前の中に「江戸文字」が入っているが、荒々しい筆文字のイメージからはやや遠い。
筆文字特有の堅い印象も無いとは思わないが、どちらかというと元気で可愛らしい印象が強めかな。
毛筆フォントや手書き風フォントは多かれ少なかれ読みづらさが出てしまうことも多いが、「風雲」は非常に読みやすく作られている。
特にかな文字の太い部分と細い部分のコントラストが美しく、これが文字を活き活きさせているように思う。
そのため、長めのメッセージをタイプした時にも「つまらない」あるいは「退屈な」イメージになることなく、使い手が伝えたいメッセージを楽しく伝えてくれるだろう。
飲食店の看板やメニューなどにこのフォントが使われていたら、客にとってとても入りやすい店になるんじゃないかな。
コミカルな印象が強いので、真面目なメッセージを伝えるのにはあまり向いていないかもしれない。
「風雲」と似たイメージを持つ「勘亭流」「江戸文字」「寄席文字」などのフォントは他社からも多数リリースされている。
しかし読みにくかったり、クセが強めだったり、親しみにくい印象を持つフォントもある。
フォントの特性上、仕方がない部分もあるし、それはそれでそれぞれのフォントの良さでもあるんだけどね。
だけどこの「風雲」は、毛筆のデザインフォントとしての特徴を程々に前面に出しつつも、気軽に使いやすいデザインに仕上がっていると思う。
今まで僕は、毛筆フォントとPOP体フォントはまったく別モノで、相容れないものと言っても良いくらいかけ離れたジャンルのフォントだと思っていた。
しかし「風雲」をよく観察していると、このフォントは毛筆フォントとPOP体フォントの中間のテイストを持つフォントと言っても良いんじゃないかと思った。
POP体フォントほど砕けていないからそこまでダサくないし、使いやすそうだからね。
一方、残念な点は、収容文字数が限られている点だ。
独自の外字は収録されているものの、難しい人名や地名、一般名詞の熟語に含まれる漢字は使えないので不便に感じることもある。
昔、年賀状作成をしていた際に、親しみやすく可愛らしいからと宛名作成ソフトで「風雲」を指定してみたのだが、一部の人の名前の漢字が表示されずがっかりしたことがある。
過去の「フォントの独り言」でも述べたが、NIS Fontの多くは他社フォントと比べると収容文字数が少ないんだよ。
昔からそういう仕様のまま、改善されていないんだよね…。
収容文字を公式サイトで明記しているところはまだ良心的だと思うけど、使いたい文字はユーザーが決めるものなので、作る人はそのニーズにできる限り応えるためにも最低7000字程度の文字は作っておかないといけないと思う。
おそらく制作期間やコストを抑えるために使える文字数を減らし、使用頻度が高いと思われる文字だけを厳選して収容したのだろうけどね。
NIS Font全般にいえるが、良いデザインのフォントをたくさんリリースしているのに収容文字数が少ないところがすごく惜しい。
昨年はフォントのインストーラに不具合が発生し、その改修作業だけに1年以上かかっているところを見ても、会社内にフォントの開発や修正などができる専門知識や技術を持った人があまりいないんじゃないかな、と想像する。
だからこの頃は新書体があまりリリースできず、僕が気にしている収容文字数の拡張などにも取り組めないのかな、と…。
良いフォントがあるだけに、それだけの理由で去っていくユーザーがいたとしたらとても惜しいと思うし、どうにかもっと頑張ってもらいたいけどね…。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2023.8.14閲覧)
●NIS Ticket
今回紹介した『江戸文字「風雲」』を含むNISフォントがサブスク形式で利用可能。
全NIS Fontが利用できるサービスの他、使えるフォント数を限定した安価な製品も。
https://www.nisfont.co.jp/products/annual_license.html
●NIS Fontの文字セット
『江戸文字「風雲」』を含む各NIS Fontに収容されている文字種が確認できます。
https://www.nisfont.co.jp/products/set_items.html
●NIS FontのNEWS
2022年3月4日に「新規インストール・キー発行時に特定の不具合が発生する」旨が掲載。以後複数回インストーラの不具合に関する告知の再掲があり、2023年8月1日、ようやく最新OSに対応したインストーラプログラムのリリースが発表された。
https://www.nisfont.co.jp/news/
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NIS Fontのラインナップに『江戸文字「風雲」』というフォントがある(以下、「風雲」)。
毛筆のテイストを持つデザインフォントで、NIS Fontのサブスク「NIS Ticket」を契約していれば利用できる他、単体での購入も可能だ。
今回は「風雲」について、思うことを話そうと思う。
まず「風雲」とは、こんなフォント↓
フォントの名前の中に「江戸文字」が入っているが、荒々しい筆文字のイメージからはやや遠い。
筆文字特有の堅い印象も無いとは思わないが、どちらかというと元気で可愛らしい印象が強めかな。
毛筆フォントや手書き風フォントは多かれ少なかれ読みづらさが出てしまうことも多いが、「風雲」は非常に読みやすく作られている。
特にかな文字の太い部分と細い部分のコントラストが美しく、これが文字を活き活きさせているように思う。
そのため、長めのメッセージをタイプした時にも「つまらない」あるいは「退屈な」イメージになることなく、使い手が伝えたいメッセージを楽しく伝えてくれるだろう。
飲食店の看板やメニューなどにこのフォントが使われていたら、客にとってとても入りやすい店になるんじゃないかな。
コミカルな印象が強いので、真面目なメッセージを伝えるのにはあまり向いていないかもしれない。
「風雲」と似たイメージを持つ「勘亭流」「江戸文字」「寄席文字」などのフォントは他社からも多数リリースされている。
しかし読みにくかったり、クセが強めだったり、親しみにくい印象を持つフォントもある。
フォントの特性上、仕方がない部分もあるし、それはそれでそれぞれのフォントの良さでもあるんだけどね。
だけどこの「風雲」は、毛筆のデザインフォントとしての特徴を程々に前面に出しつつも、気軽に使いやすいデザインに仕上がっていると思う。
今まで僕は、毛筆フォントとPOP体フォントはまったく別モノで、相容れないものと言っても良いくらいかけ離れたジャンルのフォントだと思っていた。
しかし「風雲」をよく観察していると、このフォントは毛筆フォントとPOP体フォントの中間のテイストを持つフォントと言っても良いんじゃないかと思った。
POP体フォントほど砕けていないからそこまでダサくないし、使いやすそうだからね。
一方、残念な点は、収容文字数が限られている点だ。
独自の外字は収録されているものの、難しい人名や地名、一般名詞の熟語に含まれる漢字は使えないので不便に感じることもある。
昔、年賀状作成をしていた際に、親しみやすく可愛らしいからと宛名作成ソフトで「風雲」を指定してみたのだが、一部の人の名前の漢字が表示されずがっかりしたことがある。
過去の「フォントの独り言」でも述べたが、NIS Fontの多くは他社フォントと比べると収容文字数が少ないんだよ。
昔からそういう仕様のまま、改善されていないんだよね…。
収容文字を公式サイトで明記しているところはまだ良心的だと思うけど、使いたい文字はユーザーが決めるものなので、作る人はそのニーズにできる限り応えるためにも最低7000字程度の文字は作っておかないといけないと思う。
おそらく制作期間やコストを抑えるために使える文字数を減らし、使用頻度が高いと思われる文字だけを厳選して収容したのだろうけどね。
NIS Font全般にいえるが、良いデザインのフォントをたくさんリリースしているのに収容文字数が少ないところがすごく惜しい。
昨年はフォントのインストーラに不具合が発生し、その改修作業だけに1年以上かかっているところを見ても、会社内にフォントの開発や修正などができる専門知識や技術を持った人があまりいないんじゃないかな、と想像する。
だからこの頃は新書体があまりリリースできず、僕が気にしている収容文字数の拡張などにも取り組めないのかな、と…。
良いフォントがあるだけに、それだけの理由で去っていくユーザーがいたとしたらとても惜しいと思うし、どうにかもっと頑張ってもらいたいけどね…。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2023.8.14閲覧)
●NIS Ticket
今回紹介した『江戸文字「風雲」』を含むNISフォントがサブスク形式で利用可能。
全NIS Fontが利用できるサービスの他、使えるフォント数を限定した安価な製品も。
https://www.nisfont.co.jp/products/annual_license.html
●NIS Fontの文字セット
『江戸文字「風雲」』を含む各NIS Fontに収容されている文字種が確認できます。
https://www.nisfont.co.jp/products/set_items.html
●NIS FontのNEWS
2022年3月4日に「新規インストール・キー発行時に特定の不具合が発生する」旨が掲載。以後複数回インストーラの不具合に関する告知の再掲があり、2023年8月1日、ようやく最新OSに対応したインストーラプログラムのリリースが発表された。
https://www.nisfont.co.jp/news/
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