#66 シン時代のゆるふわフォント「くろかね」 2023/06/10
フォントワークスからリリースされているデザインフォント「くろかね」。
「フォントワークスLETS」の契約者が使える新書体として、2008年に発表された。
現在ではLETSだけでなく、mojimoシリーズにもこのフォントが収録されているので、契約者であれば使うことができる。
今回は「くろかね」について、思うことを書いてみようと思う。
まずくろかねとは、こんなフォント↓
文字を組むと、整然としているのにかわいらしく、はっちゃけた印象さえ感じられる不思議なフォントだ。
「優しく」「コミカル」な印象を持つ一方で、どこか「寂しく」「悲しい」印象も感じられる。
そういったイメージを表現できるフォントは他にもたくさんあるのだが、他のフォントにすると、なんか足りないなぁと思うことが時々あるんだよ。
そんな時にくろかねをセレクトしてみると、あ、やっぱりコレだと思える。
一見すると個性が強く、使う場面が限定されそうなフォントなのだが、様々な場面に自然とフィットしてくれるんだよね。
実際にくろかねは広告や商品パッケージ、ゲーム、TVやネット動画のテロップなど、様々な場面で使われているのを見るし、特にエンタメ系では使用例が多いような気がする。
人の心が欲していて、かつ言葉では表現できない「何か」を伝えてくれる力があるんだと思う。
僕が「くろかね」の存在を初めて知ったのは高校生の時だった(2012年頃)。
テレビのテロップで使われているのを見たのが最初だが、当時はフォントの名前がわからず、名前を知ったのはもっと後になってからだった。
初めてくろかねを見た時の感想は、「見たことのない印象のフォントだな」のひと言だった。
それ以後10年以上、今現在に至るまでいろんなフォントを見てきたし、自分で使ったりもしてきたが、未だに「くろかね」からしか感じられない、優しさや温もりや懐かしさなどがあるように感じている。
しかし、このフォントを作っている「ユルさ」が残念な意味でも働いていて、読みにくいのは大きな難点だ。
特にひらがなの「て」「で」は読めないし、アルファベットの「J」の崩し方は酷く、「I」との区別がつかない。↓
どうしてここまで崩してしまったのか、まったく理解不能だ。
他にもこれらの文字が読みにくいと不満を漏らしている人の投稿をネット上で見たことがある。
また、テレビのテロップなどで使われている例を見ても、「て」「で」など読みにくい文字だけ別のゴシック体に置き換えられていたりすることも多い。
作った人は、どうしてデザインの段階で読みにくさに気付かなかったのかが謎だし、ここは残念なところだね。
フォントを作る時に実際にいろんなパターンで文字を組んでテストをすると思うんだけど、その時点で違和感とか無かったのかな…。
残念な点はあるものの、それでも「くろかねじゃなきゃ表現できないものがあるんだ!」と思わせてくれるところにこのフォントの力を感じる。
唯一無二感が感じられるフォントってそれほど多くないし、最悪違うフォントでも代用できるか…と思えるくらい魅力の少ないフォントの方が多いからね。
使い手が使いやすいと感じる形で提供され続ければ、きっといつまでも変わらず誰かが使い続けてくれるフォントになると思う。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2023.5.14閲覧)
●くろかね EB(フォントワークス 書体見本)↓好きな文字を打ち込んでフォントを試せます。
https://fontworks.co.jp/fontsearch/kurokanestd-eb/
●製品リリースノート(フォントワークス)
https://fontworks.co.jp/company/releasenote/
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フォントワークスからリリースされているデザインフォント「くろかね」。
「フォントワークスLETS」の契約者が使える新書体として、2008年に発表された。
現在ではLETSだけでなく、mojimoシリーズにもこのフォントが収録されているので、契約者であれば使うことができる。
今回は「くろかね」について、思うことを書いてみようと思う。
まずくろかねとは、こんなフォント↓
文字を組むと、整然としているのにかわいらしく、はっちゃけた印象さえ感じられる不思議なフォントだ。
「優しく」「コミカル」な印象を持つ一方で、どこか「寂しく」「悲しい」印象も感じられる。
そういったイメージを表現できるフォントは他にもたくさんあるのだが、他のフォントにすると、なんか足りないなぁと思うことが時々あるんだよ。
そんな時にくろかねをセレクトしてみると、あ、やっぱりコレだと思える。
一見すると個性が強く、使う場面が限定されそうなフォントなのだが、様々な場面に自然とフィットしてくれるんだよね。
実際にくろかねは広告や商品パッケージ、ゲーム、TVやネット動画のテロップなど、様々な場面で使われているのを見るし、特にエンタメ系では使用例が多いような気がする。
人の心が欲していて、かつ言葉では表現できない「何か」を伝えてくれる力があるんだと思う。
僕が「くろかね」の存在を初めて知ったのは高校生の時だった(2012年頃)。
テレビのテロップで使われているのを見たのが最初だが、当時はフォントの名前がわからず、名前を知ったのはもっと後になってからだった。
初めてくろかねを見た時の感想は、「見たことのない印象のフォントだな」のひと言だった。
それ以後10年以上、今現在に至るまでいろんなフォントを見てきたし、自分で使ったりもしてきたが、未だに「くろかね」からしか感じられない、優しさや温もりや懐かしさなどがあるように感じている。
しかし、このフォントを作っている「ユルさ」が残念な意味でも働いていて、読みにくいのは大きな難点だ。
特にひらがなの「て」「で」は読めないし、アルファベットの「J」の崩し方は酷く、「I」との区別がつかない。↓
どうしてここまで崩してしまったのか、まったく理解不能だ。
他にもこれらの文字が読みにくいと不満を漏らしている人の投稿をネット上で見たことがある。
また、テレビのテロップなどで使われている例を見ても、「て」「で」など読みにくい文字だけ別のゴシック体に置き換えられていたりすることも多い。
作った人は、どうしてデザインの段階で読みにくさに気付かなかったのかが謎だし、ここは残念なところだね。
フォントを作る時に実際にいろんなパターンで文字を組んでテストをすると思うんだけど、その時点で違和感とか無かったのかな…。
残念な点はあるものの、それでも「くろかねじゃなきゃ表現できないものがあるんだ!」と思わせてくれるところにこのフォントの力を感じる。
唯一無二感が感じられるフォントってそれほど多くないし、最悪違うフォントでも代用できるか…と思えるくらい魅力の少ないフォントの方が多いからね。
使い手が使いやすいと感じる形で提供され続ければ、きっといつまでも変わらず誰かが使い続けてくれるフォントになると思う。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2023.5.14閲覧)
●くろかね EB(フォントワークス 書体見本)
↓好きな文字を打ち込んでフォントを試せます。
https://fontworks.co.jp/fontsearch/kurokanestd-eb/
●製品リリースノート(フォントワークス)
https://fontworks.co.jp/company/releasenote/
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