#62 天使?悪魔? 不思議なフォント「タカハンド」 2023/02/10
モリサワからリリースされているフォント「タカハンド」。
文字を並べた時にリズミカルに見える、POP書体の良さと手書き風書体の良さを混在させたようなフォントだ。1987年に誕生し、現在ではMORISAWA PASSPORT、及び新サービスのMorisawa Fontsのラインナップに含まれているので、契約者なら誰でも利用できる。今回は、そんな「タカハンド」について思うことを話そうと思う。
まず「タカハンド」とは、こんなフォント↓モリサワの書体見本ページでは、「おとぎ話の中から抜け出してきたようなほのぼのとした温かさと、手書きをイメージさせる小気味よいリズムがあり、語りかけてくるような息吹きを感じさせ」ると紹介されている。子供の頃好きだった低年齢向けの雑誌やアニメやゲームの攻略本、映画のパンフレットなどでよく見た記憶がある。当時はまだフォントというものの存在さえ知らなかったが、何となく楽しい感じがする文字だな、と思いながら見ていた。低年齢向けの媒体であれば、見出しやキャッチコピーなどだけでなく、本文で使ってみるのも良いんじゃないかな。ウェイト(文字の太さ)も5種類揃っているし、実用性も申し分無いね。ゴシックや明朝で堅めたガチガチのデザインに、程良くおどけたデザインのタカハンドを加えるといい感じにデザインがシマり、安心感が生まれる感じがする。実際に「テレビで紹介されました!」「ご愛用者続出!」「SNSで話題沸騰!」のようなちょっとした言葉にタカハンドを使っている例をよく見かける。いまいちパッとしないデザインを引き締めるアクセントにも最適だね。
POP書体や、デザイン書体と呼ばれるフォントは、一見ゴシックや明朝よりもデザインしやすくその気になれば誰にでも作れそうに思えるが、ある面ではゴシックや明朝よりも作るのが難しいんじゃないかと思うことがある。「のびのびとしたイメージで」「形式にとらわれず」デザインしたなどと言えば聞こえは良いが、そんなふうに謳って売られているフォントを実際に買って使ってみると、単にクリエイター自身のデザイン力(すべての文字が1つのフォントとして成り立つようにまとめ上げる力)が足りなかったからそういう言葉を後付けして逃げただけじゃないのか…と思ったことが過去に何度もあった。しかし「タカハンド」は、すべての文字が調和するよう明確に計算されて作られているように思うし、不思議と飽きの来ないデザインだ。個性は強めだが、文字を並べてみると意外と主張は強くなく、デザインに馴染みやすいんだよね。
また、このフォントからは不思議なことに「この世に存在しない何か」、あるいは「人の深層心理にある何か」が感じられるんだよ。この世に存在しないものなら天使か悪魔か、人の深層心理にある何かなら誰しもが持っているけど表には出さない楽しみか悲しみか喜びか憎しみの気持ち…。どちらかというとポジティブ寄りのイメージを持つフォントだと思うが、ピエロのように愚かで惨めなイメージ、甘い言葉と作り笑顔で無垢な人を騙す腹黒い詐欺師のようなイメージさえも感じられる。飽きが来るとか来ないだけでなく、そういった不思議な魅力があるから、僕は「タカハンド」に惹かれてしまうのかもしれない(笑)。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2023.1.14閲覧)●Morisawa Fonts「タカハンド」を含む多くのフォントがサブスク形式で利用可能。前身のMORISAWA PASSPORTに代わるサービスとして昨年10月スタート。https://morisawafonts.com/●タカハンド(モリサワ書体見本)組見本や使用見本をPDFでダウンロードできます(試し打ちは不可)。https://www.morisawa.co.jp/fonts/specimen/1237●会社案内(有限会社たかデザインプロダクション)沿革の欄に「タカハンド」販売時期の掲載あり。http://www.takadpro.com/06/
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モリサワからリリースされているフォント「タカハンド」。
文字を並べた時にリズミカルに見える、POP書体の良さと手書き風書体の良さを混在させたようなフォントだ。
1987年に誕生し、現在ではMORISAWA PASSPORT、及び新サービスのMorisawa Fontsのラインナップに含まれているので、契約者なら誰でも利用できる。
今回は、そんな「タカハンド」について思うことを話そうと思う。
まず「タカハンド」とは、こんなフォント↓
モリサワの書体見本ページでは、「おとぎ話の中から抜け出してきたようなほのぼのとした温かさと、手書きをイメージさせる小気味よいリズムがあり、語りかけてくるような息吹きを感じさせ」ると紹介されている。
子供の頃好きだった低年齢向けの雑誌やアニメやゲームの攻略本、映画のパンフレットなどでよく見た記憶がある。
当時はまだフォントというものの存在さえ知らなかったが、何となく楽しい感じがする文字だな、と思いながら見ていた。
低年齢向けの媒体であれば、見出しやキャッチコピーなどだけでなく、本文で使ってみるのも良いんじゃないかな。
ウェイト(文字の太さ)も5種類揃っているし、実用性も申し分無いね。
ゴシックや明朝で堅めたガチガチのデザインに、程良くおどけたデザインのタカハンドを加えるといい感じにデザインがシマり、安心感が生まれる感じがする。
実際に「テレビで紹介されました!」「ご愛用者続出!」「SNSで話題沸騰!」のようなちょっとした言葉にタカハンドを使っている例をよく見かける。
いまいちパッとしないデザインを引き締めるアクセントにも最適だね。
POP書体や、デザイン書体と呼ばれるフォントは、一見ゴシックや明朝よりもデザインしやすくその気になれば誰にでも作れそうに思えるが、ある面ではゴシックや明朝よりも作るのが難しいんじゃないかと思うことがある。
「のびのびとしたイメージで」「形式にとらわれず」デザインしたなどと言えば聞こえは良いが、そんなふうに謳って売られているフォントを実際に買って使ってみると、単にクリエイター自身のデザイン力(すべての文字が1つのフォントとして成り立つようにまとめ上げる力)が足りなかったからそういう言葉を後付けして逃げただけじゃないのか…と思ったことが過去に何度もあった。
しかし「タカハンド」は、すべての文字が調和するよう明確に計算されて作られているように思うし、不思議と飽きの来ないデザインだ。
個性は強めだが、文字を並べてみると意外と主張は強くなく、デザインに馴染みやすいんだよね。
また、このフォントからは不思議なことに「この世に存在しない何か」、あるいは「人の深層心理にある何か」が感じられるんだよ。
この世に存在しないものなら天使か悪魔か、人の深層心理にある何かなら誰しもが持っているけど表には出さない楽しみか悲しみか喜びか憎しみの気持ち…。
どちらかというとポジティブ寄りのイメージを持つフォントだと思うが、ピエロのように愚かで惨めなイメージ、甘い言葉と作り笑顔で無垢な人を騙す腹黒い詐欺師のようなイメージさえも感じられる。
飽きが来るとか来ないだけでなく、そういった不思議な魅力があるから、僕は「タカハンド」に惹かれてしまうのかもしれない(笑)。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2023.1.14閲覧)
●Morisawa Fonts
「タカハンド」を含む多くのフォントがサブスク形式で利用可能。
前身のMORISAWA PASSPORTに代わるサービスとして昨年10月スタート。
https://morisawafonts.com/
●タカハンド(モリサワ書体見本)
組見本や使用見本をPDFでダウンロードできます(試し打ちは不可)。
https://www.morisawa.co.jp/fonts/specimen/1237
●会社案内(有限会社たかデザインプロダクション)
沿革の欄に「タカハンド」販売時期の掲載あり。
http://www.takadpro.com/06/
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