トップへ

NEW「飴鞭ゴシック1・3・5セット/2・4・6セット」の販売を開始しました。よりお求めやすい価格で飴鞭ゴシックをご購入いただけます。(→1・3・5セット2・4・6セット

NEW新作フォント「takumiゆるりフォント」の販売を開始しました!(→こちら)
さらにウェブフォントサービス「FontStream」でも「ミニ」の2ウェイト4フォントが使えるようになりました。(→こちら

#61 人気者の「麗雅宋」にライバル現る!?
2023/01/10(Tue)
2022年秋、MORISAWA PASSPORTと新サービス「Morisawa Fonts」の利用者向けに多くの新書体がリリースされた。
これまでのモリサワフォントのラインナップには乏しかったデザインフォントが多く発表され、モリサワフォントを利用している人からの反響も大きかったんじゃないだろうか。
2023年最初となる今回は、新年をキラキラと輝かしいものに彩ってくれそうなフォント「翠流ネオロマン」について話そうと思う。

まず「翠流ネオロマン」とは、こんなフォント↓
SuiryuNeoRoman.jpg
このフォントは、台湾のフォントベンダーであるアーフィック社が制作した「浪漫明朝体」をベースに、モリサワがオリジナルでデザインしたかな文字を組み合わせたフォントだ。
浪漫明朝体はWindows用の宛名作成ソフトにバンドルされていることがあり、比較的手に入りやすいフォントだが、かな文字のデザインが少し拙いように思う。
アーフィックは他にも和文フォントを発表しているんだけど、かな文字のデザインがイマイチなフォントが多いんだよね…。
良いデザインではあるんだけど、ツメの甘い部分も目立って惜しいというか…。
だからモリサワと提携することで、アーフィックは苦手な日本語のかな文字をモリサワに作ってもらえるし、モリサワは低コストで新しいデザインフォントを発表できる…。
そんな形で利害が一致したのだろうね(笑)。

また、フォントにある程度詳しい人なら既に気付いたかもしれないが、この翠流ネオロマンはダイナコムウェアが発表している「麗雅宋(れいがそう)」とよく似ている。
(麗雅宋については以前の「フォントの独り言」で取り上げました。興味のある方は文末のURLからどうぞ)
SuiryuNeoRomanReigasoHikaku.jpg
おそらく、麗雅宋と同じコンセプトのフォントをモリサワも自社フォントとしてリリースしたかったから意識して制作したのだろうね。
しかし麗雅宋が持つキラキラとした感じが翠流ネオロマンでは少し控えめで、麗雅宋よりもスッキリとしたデザインだ。
文字を組んでも麗雅宋ほどウルサク見えず、比較的スッキリ見えるので、案外麗雅宋よりも使いやすいと思う人も出てくるかもしれない。
それでも僕は、麗雅宋の方が好きだけどね(笑)。

ちなみに翠流ネオロマンの他に、ネオロマンのかな文字に装飾を加えた「翠流デコロマン」というフォントも同時にリリースされた。
SuiryuDecoRoman.jpg
これもタイプラボが制作した「えれがんと」というフォントを明確に意識してデザインしているように思える。
「えれがんと」と「麗雅宋」のかな文字をかけ合わせたようなデザインかな。
えれがんとと比べ、この翠流デコロマンはかな文字のデザインがあまりにもやかましい印象で、漢字のデザインともあまりマッチしていないように思うので、僕はあまり好きじゃない…。

昨年秋、今回紹介したフォント以外にも、様々な種類のフォントがモリサワからリリースされた。
フォントワークスやダイナコムウェアにある豊富なデザインフォントやPOP系フォントがモリサワフォントのラインナップには少なかったから、それらを補うために頑張ったのだろう。
2021年に新書体がリリースされた時点で、2022年リリース予定の新書体をいち早く発表していたくらいだから、2022年の新書体制作には相当力を入れていたのだと思う。
僕もまだすべてのフォントを充分に試しきれていないが、2022年の新書体の中でまた取り上げたいフォントがあったら、いつか取り上げるかもしれない…。

それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。
2023年も皆さんにとってハッピーな1年になりますように。ィヨロシク!!

【参考にしたサイト】(いずれも2022.12.11閲覧)
●翠流ネオロマン(モリサワ書体見本)
好きな文字を打ち込んでフォントを試せます。
https://www.morisawa.co.jp/fonts/specimen/7688
●翠流デコロマン(モリサワ書体見本)
上に同じ。
https://www.morisawa.co.jp/fonts/specimen/7687
●アーフィック(和文フォント大図鑑)
「浪漫明朝体」を制作したアーフィック社のフォントの書体見本。
https://www.akibatec.net/wabunfont/library/arphic/arphic.html
●モリサワ新書体2022(モリサワ公式note)
https://note.morisawa.co.jp/n/n0289d6ef788b?magazine_key=m4eddfcf09d14
●2022年度リリース予定書体のご紹介(モリサワ公式note)
2021年秋に公開された2022年新書体に関する情報。
https://note.morisawa.co.jp/n/nf23aae0090db

【こちらも読んでいただけると嬉しい…】
●#43 「麗雅宋」から視える"美しい"の形
過去にフォントの独り言で取り上げた「麗雅宋」に関する記事。
https://slimedaisuki.com/blog-entry-10614.html
スポンサーサイト



コメント

  • 名前と本文は必ず入力してください。
  • 法人・組織・サークル等の代表者、その他屋号をお持ちの方は、それを「名前」欄に併記してください。
  • 「送信」クリック後の確認画面でパスワードの入力欄がありますが、いたずら防止のため、後からコメント内容の修正・削除はできないようにしております。内容をよく確認した上で投稿してください。
  • コメントはtakumiが承認した後に反映(公開)されます。反映したコメントには、基本的には同じ記事のコメント欄にてtakumiが返信します。内容により、返信にお時間を頂く場合や、返信できない場合もあります。予めご了承ください。
  • コメントを非公開(takumiだけが見られる状態)にしたい場合は、「非公開コメント」のチェックをお忘れなく。また、非公開コメントで返信が必要な場合は、必ずメールアドレスを入力してください。そのメールアドレス宛にtakumiが返信します。

※非公開コメントで返信希望の場合は必ず入力してください。

非公開コメント