#59 味わい深いデザイン楷書体「魏碑体」 2022/11/10
ダイナコムウェアが販売している「魏碑体」(ぎひたい)というフォント。
『ダイナフォント総合カタログ』によると、1996年頃には既にリリースされていたようだ。かつて販売されていたダイナフォントのパッケージ製品の多くに収録されており、現在でもDynaSmartシリーズを契約している人は利用できる。今回はこの「魏碑体」というフォントについて、思うことを書き綴ってみようと思う。
まず魏碑体とは、こんなフォント↓古代の遺物を発掘したらこんな雰囲気の文字が彫り込まれていそうな趣のあるデザインだ。記念碑などに刻む文字やそういったものをイメージしたデザイン、また表札や暖簾・看板などの作成に大いに役立つだろう。個性が強くて使う場面が限定されそうに思えるが、文字を打ち込むと自然と、使い手が伝えたいメッセージの色に染まってくれる。文字の骨格は楷書体をベースにしているようなので読みやすく、文字を組んだ時のバランスも良いので、ある程度長めのフレーズで使っても読み手にストレスを与えない。程良い太さなので見出し・本文どちらにも対応できると思うが、ある程度大きめの文字サイズで使った方がこのフォントの魅力が引き出されると思う。Webサイトや映像、ゲームなど、ディスプレイで表示する目的で使うのも悪くないけど、印刷物などアナログ媒体で使った方が、このフォントの味わい深さは引き立ちそうだ。
この「魏碑体」は、僕が10年以上前に手に入れたダイナフォントのパッケージに収録されていた。当時は魏碑体のことを全く知らなかったのだが、あるテレビ番組で使用例を目にした時にこのフォントの存在を知り、しかも自分が買ったダイナフォントのパッケージに収録されていると知った時はとても嬉しかった。その時はフォントに対する審美眼なんてまるで無かったし、個性が強くて何となく目立ちそうなデザインフォントや毛筆フォントばかり使っていたが、魏碑体の美しさには感銘を受けた。ダイナフォントはフォントによって完成度に差があるが、魏碑体は完成度が高いし、このフォント単体で、ある程度高い価格で販売しても充分価値があると思う。
プロでフォントを使っている人たちの中には、ゴシック体や明朝体など、堅い印象のフォントでガッチリと文字を組むのが好きで、今回紹介した「魏碑体」のようなデザインフォントをあまり好まない人もいる。確かにゴシック体や明朝体は、文字をしっかりと読み手に「読ませる」目的で作られたフォントなので、可読性(読みやすいかどうか)にも視認性(パッと見て書かれている内容を把握できるかどうか)にも優れているし、基本はこういったフォントを使うのが良いと僕も思う。しかし、これらのフォントは文字を組んでみた時、無難ではあるし読みやすさではデザインフォントよりも格段に上なんだけど、冷たい印象だなと感じることもある。それにゴシック体や明朝体には、使い手が伝えたいメッセージを飾らずそのまま読む人に届けてくれる力はあるけど、そのメッセージの深いところを伝えきれないことも多いように感じる。そんな時、今回紹介した「魏碑体」のようなデザインフォントが力を発揮すると思う。使い手が長く残したいメッセージをこのフォントで打ち込むことで、メッセージに深みを生んで、いつまでも人の心に残るものにしてくれる…。見る人を振り向かせるほどの力は持っていないので広告などには向かないが、「魏碑体」が使われたメッセージを目にした読み手に、そのメッセージに込められた深い意味を考えさせてくれる…。そんな力を、魏碑体は持っているんじゃないかな。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2022.10.15閲覧)●DynaSmart シリーズ今回紹介した「魏碑体」を含むダイナフォントをサブスク形式で利用可能。https://www.dynacw.co.jp/product/product_dynasmart.aspx●魏碑体(DynaFont一覧)↓今回紹介したフォントで試し打ちができます。https://www.dynacw.co.jp/product/product_download_detail.aspx?fid=126●ダイナフォント総合カタログ 2022年3月版下記URLよりPDF版をダウンロードして見ることができます。https://www.dynacw.co.jp/support/support_download_list.aspx?sid=39
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ダイナコムウェアが販売している「魏碑体」(ぎひたい)というフォント。
『ダイナフォント総合カタログ』によると、1996年頃には既にリリースされていたようだ。
かつて販売されていたダイナフォントのパッケージ製品の多くに収録されており、現在でもDynaSmartシリーズを契約している人は利用できる。
今回はこの「魏碑体」というフォントについて、思うことを書き綴ってみようと思う。
まず魏碑体とは、こんなフォント↓
古代の遺物を発掘したらこんな雰囲気の文字が彫り込まれていそうな趣のあるデザインだ。
記念碑などに刻む文字やそういったものをイメージしたデザイン、また表札や暖簾・看板などの作成に大いに役立つだろう。
個性が強くて使う場面が限定されそうに思えるが、文字を打ち込むと自然と、使い手が伝えたいメッセージの色に染まってくれる。
文字の骨格は楷書体をベースにしているようなので読みやすく、文字を組んだ時のバランスも良いので、ある程度長めのフレーズで使っても読み手にストレスを与えない。
程良い太さなので見出し・本文どちらにも対応できると思うが、ある程度大きめの文字サイズで使った方がこのフォントの魅力が引き出されると思う。
Webサイトや映像、ゲームなど、ディスプレイで表示する目的で使うのも悪くないけど、印刷物などアナログ媒体で使った方が、このフォントの味わい深さは引き立ちそうだ。
この「魏碑体」は、僕が10年以上前に手に入れたダイナフォントのパッケージに収録されていた。
当時は魏碑体のことを全く知らなかったのだが、あるテレビ番組で使用例を目にした時にこのフォントの存在を知り、しかも自分が買ったダイナフォントのパッケージに収録されていると知った時はとても嬉しかった。
その時はフォントに対する審美眼なんてまるで無かったし、個性が強くて何となく目立ちそうなデザインフォントや毛筆フォントばかり使っていたが、魏碑体の美しさには感銘を受けた。
ダイナフォントはフォントによって完成度に差があるが、魏碑体は完成度が高いし、このフォント単体で、ある程度高い価格で販売しても充分価値があると思う。
プロでフォントを使っている人たちの中には、ゴシック体や明朝体など、堅い印象のフォントでガッチリと文字を組むのが好きで、今回紹介した「魏碑体」のようなデザインフォントをあまり好まない人もいる。
確かにゴシック体や明朝体は、文字をしっかりと読み手に「読ませる」目的で作られたフォントなので、可読性(読みやすいかどうか)にも視認性(パッと見て書かれている内容を把握できるかどうか)にも優れているし、基本はこういったフォントを使うのが良いと僕も思う。
しかし、これらのフォントは文字を組んでみた時、無難ではあるし読みやすさではデザインフォントよりも格段に上なんだけど、冷たい印象だなと感じることもある。
それにゴシック体や明朝体には、使い手が伝えたいメッセージを飾らずそのまま読む人に届けてくれる力はあるけど、そのメッセージの深いところを伝えきれないことも多いように感じる。
そんな時、今回紹介した「魏碑体」のようなデザインフォントが力を発揮すると思う。
使い手が長く残したいメッセージをこのフォントで打ち込むことで、メッセージに深みを生んで、いつまでも人の心に残るものにしてくれる…。
見る人を振り向かせるほどの力は持っていないので広告などには向かないが、「魏碑体」が使われたメッセージを目にした読み手に、そのメッセージに込められた深い意味を考えさせてくれる…。
そんな力を、魏碑体は持っているんじゃないかな。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2022.10.15閲覧)
●DynaSmart シリーズ
今回紹介した「魏碑体」を含むダイナフォントをサブスク形式で利用可能。
https://www.dynacw.co.jp/product/product_dynasmart.aspx
●魏碑体(DynaFont一覧)
↓今回紹介したフォントで試し打ちができます。
https://www.dynacw.co.jp/product/product_download_detail.aspx?fid=126
●ダイナフォント総合カタログ 2022年3月版
下記URLよりPDF版をダウンロードして見ることができます。
https://www.dynacw.co.jp/support/support_download_list.aspx?sid=39
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