#57 バイバイモリパス ハロー新サービス 2022/09/10(Sat)
モリサワが提供しているフォントのサブスクリプション「MORISAWA PASSPORT」(以下、モリパス)。
モリサワフォントをはじめとした多数のフォントを利用できるサービスで、2005年に提供が始まり、現在まで続いている。しかし先月、このサービスが2028年度に提供終了されることが発表され、同時に後継となる新しいサービス「Morisawa Fonts」が来月4日にリリースされることも発表された。今回は、長年続いたモリパスと、これから始まるMorisawa Fontsについて、思うことを話したい。
モリパスに代わるMorisawa Fonts、フォントの提供方法は、Adobe Fontsやフォントワークスの「新LETS」に追随する形だ。従来のようにアプリからフォントをインストールする形でなく、契約者がフォントを使いたいPCからWebサイトにログインして使いたいフォントをアクティベートすることで、フォントを利用できる仕組みになるとのこと。サブスクでもパッケージ販売でもそうだが、従来の多くのフォントサービスでは「使用するPCの台数」によってライセンスが管理される仕組みであったため、1人でフォントを使いたい場合も、複数台のPCで使いたい場合はその台数分のライセンスを取得する必要があった。フォントベンダー側としても、不正コピーを抑制できたり、新書体の提供やフォントのアップデートなどにかかる手間が減ったりと、メリットがあるんだと思う。
Morisawa Fonts発表の前兆だったのかはわからないが、「TypeSquare」というWebフォントサービスのMORISAWA PASSPORTプランの新規利用申請が昨年6月末で終了した。このプランでは、モリパスの契約者がTypeSquareの利用申請をするだけで、追加料金無く同サービスのWebフォントを利用することができた。現在でもモリパス契約者で昨年6月末までにTypeSquareの利用申請をしている人は引き続きWebフォントの利用が可能らしいが、モリパス自体が2028年度に終わってしまうので、それまでにMORISAWA PASSPORTプランも自然消滅となるはず…。現時点でMorisawa FontsでWebフォントが使えるようなアナウンスは無いようだが、そこは使えるようにして欲しいと思うけどね…。Google FontsのようにタダでWebフォントが使えるサービスが主流になり、有料のWebフォントサービス全般が廃れたので、TypeSquareも儲けにならないと判断したのかもしれないが…。
さらにモリサワの発表で個人的に気になったのが、「今後、フォントや機能の追加はもちろん、さまざまなお客様の用途に対応したプランも拡充していきます」というコメント(※1)だ。今まではモリサワが提供しているフォントの大半はモリパスの契約でしか利用できず、それも高額だった。書体数やライセンス数を選択できる「Select Pack」もあるが、モリパスよりも遥かに割高だし、選べる書体数(ラインナップ)も限られているので購入はあまり現実的ではない。モリサワがいうところの「用途に対応したプラン」とは、現在フォントワークスが発表している「mojimo」シリーズのように、個人使用、もしくは特定の用途に特化したプランを用意する、ということなのだろうか?また、2024年以降リリースされる予定の写研フォントも、Morisawa Fontsに一部または全部が含まれるのか、あるいは写研フォント専用のプランかサブスクを用意して提供する形になるのか今から気になるところだ。
多少思うところはあるが、今回のモリパス→Morisawa Fontsの改革は、そんなに悪いものじゃないと僕は思った。モリパスでは禁止されていた(なぜ禁止されていたのか不思議だった)「商標登録」もMorisawa Fontsでは可能になるらしいからね。料金の値上げや若干のフォント数削減(多言語フォント)はあるものの、まだ良心的な範囲内だろう。大幅な値上げと大幅なサービス削減がなされ批判の声が多く上がったフォントワークスの「LETS」の改革が酷すぎたから、そう感じるのかもしれないが…。これを機にモリサワフォントが、個人ユーザーにも使いやすいものにならないか(使いやすいプランなどを用意してくれないか)と勝手に今から期待している。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2022.8.14閲覧)●モリサワ 新たなフォントサービス「Morisawa Fonts」を発表※1のコメントは下記URLより引用https://www.morisawa.co.jp/about/news/7391●Morisawa Fontshttps://www.morisawa.co.jp/products/fonts/morisawa-fonts/●Webフォントサービス「TypeSquare」の「MORISAWA PASSPORTプラン」ご利用申請の新規受付終了についてhttps://www.morisawa.co.jp/about/news/6425
スポンサーサイト
モリサワが提供しているフォントのサブスクリプション「MORISAWA PASSPORT」(以下、モリパス)。
モリサワフォントをはじめとした多数のフォントを利用できるサービスで、2005年に提供が始まり、現在まで続いている。
しかし先月、このサービスが2028年度に提供終了されることが発表され、同時に後継となる新しいサービス「Morisawa Fonts」が来月4日にリリースされることも発表された。
今回は、長年続いたモリパスと、これから始まるMorisawa Fontsについて、思うことを話したい。
モリパスに代わるMorisawa Fonts、フォントの提供方法は、Adobe Fontsやフォントワークスの「新LETS」に追随する形だ。
従来のようにアプリからフォントをインストールする形でなく、契約者がフォントを使いたいPCからWebサイトにログインして使いたいフォントをアクティベートすることで、フォントを利用できる仕組みになるとのこと。
サブスクでもパッケージ販売でもそうだが、従来の多くのフォントサービスでは「使用するPCの台数」によってライセンスが管理される仕組みであったため、1人でフォントを使いたい場合も、複数台のPCで使いたい場合はその台数分のライセンスを取得する必要があった。
フォントベンダー側としても、不正コピーを抑制できたり、新書体の提供やフォントのアップデートなどにかかる手間が減ったりと、メリットがあるんだと思う。
Morisawa Fonts発表の前兆だったのかはわからないが、「TypeSquare」というWebフォントサービスのMORISAWA PASSPORTプランの新規利用申請が昨年6月末で終了した。
このプランでは、モリパスの契約者がTypeSquareの利用申請をするだけで、追加料金無く同サービスのWebフォントを利用することができた。
現在でもモリパス契約者で昨年6月末までにTypeSquareの利用申請をしている人は引き続きWebフォントの利用が可能らしいが、モリパス自体が2028年度に終わってしまうので、それまでにMORISAWA PASSPORTプランも自然消滅となるはず…。
現時点でMorisawa FontsでWebフォントが使えるようなアナウンスは無いようだが、そこは使えるようにして欲しいと思うけどね…。
Google FontsのようにタダでWebフォントが使えるサービスが主流になり、有料のWebフォントサービス全般が廃れたので、TypeSquareも儲けにならないと判断したのかもしれないが…。
さらにモリサワの発表で個人的に気になったのが、「今後、フォントや機能の追加はもちろん、さまざまなお客様の用途に対応したプランも拡充していきます」というコメント(※1)だ。
今まではモリサワが提供しているフォントの大半はモリパスの契約でしか利用できず、それも高額だった。
書体数やライセンス数を選択できる「Select Pack」もあるが、モリパスよりも遥かに割高だし、選べる書体数(ラインナップ)も限られているので購入はあまり現実的ではない。
モリサワがいうところの「用途に対応したプラン」とは、現在フォントワークスが発表している「mojimo」シリーズのように、個人使用、もしくは特定の用途に特化したプランを用意する、ということなのだろうか?
また、2024年以降リリースされる予定の写研フォントも、Morisawa Fontsに一部または全部が含まれるのか、あるいは写研フォント専用のプランかサブスクを用意して提供する形になるのか今から気になるところだ。
多少思うところはあるが、今回のモリパス→Morisawa Fontsの改革は、そんなに悪いものじゃないと僕は思った。
モリパスでは禁止されていた(なぜ禁止されていたのか不思議だった)「商標登録」もMorisawa Fontsでは可能になるらしいからね。
料金の値上げや若干のフォント数削減(多言語フォント)はあるものの、まだ良心的な範囲内だろう。
大幅な値上げと大幅なサービス削減がなされ批判の声が多く上がったフォントワークスの「LETS」の改革が酷すぎたから、そう感じるのかもしれないが…。
これを機にモリサワフォントが、個人ユーザーにも使いやすいものにならないか(使いやすいプランなどを用意してくれないか)と勝手に今から期待している。
それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!
【参考にしたサイト】(いずれも2022.8.14閲覧)
●モリサワ 新たなフォントサービス「Morisawa Fonts」を発表
※1のコメントは下記URLより引用
https://www.morisawa.co.jp/about/news/7391
●Morisawa Fonts
https://www.morisawa.co.jp/products/fonts/morisawa-fonts/
●Webフォントサービス「TypeSquare」の「MORISAWA PASSPORTプラン」ご利用申請の新規受付終了について
https://www.morisawa.co.jp/about/news/6425
スポンサーサイト
コメント