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#56 ダイナフォント革命!? 金剛黒体レビュー2022
2022/08/10
ダイナコムウェアが販売している「金剛黒体」(こんごうこくたい)というフォント。
12個のウェイト(太さ)を揃えたゴシック体で、多言語にも対応しているフォントだ。
DynaSmart V契約者に加え、廉価版のDynaSmart Tを契約している人も、一部のウェイトを使うことができる。
今回は、そんな「金剛黒体」というフォントについて、思うことを話したい。

まず「金剛黒体」とは、こんなフォント↓
DFkongohkokutai.jpg
先に述べたようにウェイトは12種類、他に横書きする時に情報(文字)を狭いスペースに収めるのに適した「金剛黒体コンデンス」が6ウェイト、さらに東アジア圏の様々な言語に対応したフォント(多言語フォント)も展開している。
印刷した時には美しく見えるゴシック体でも、画面上で見ると目に突き刺さってきて読みにくく感じるフォントもある。
だがこの金剛黒体は、ゆったりとした曲線を用いてデザインされているので、印刷物はもちろん、スマホやタブレットなどの画面上で長い文章を読む時も、無理なく読めそうだ。

この金剛黒体についてだが、2017年のダイナフォント新書体としてリリースされた時、僕は自分のブログで少しだけ言及したことがあった。
(記事の末尾にURL記載。興味のある方はどうぞ)
この当時リリースされていたウェイトは全体的に細く、一番太いSemiboldでも、一般的な文書の「見出し」でもまだ細いんじゃないか、と思える程だった。
多言語に対応したフォントであり、ダイナコムウェアのフラッグシップフォントとして当時から強く推してはいたものの、ウェイトを拡充していく予定だとか、そういう告知は無かったと思う。
しかし、最初のリリースから3年が経過した2020年に「金剛黒体コンデンス」、そして5年が経過したこの2022年、太いウェイト6つがリリースされたのだ。
良い意味で今までのダイナフォントらしくないくらいに、基本書体の開発に注力してくれたことを、僕は心から称賛したい。

ダイナフォントをいつも強く推してる僕も、この「金剛黒体」が発表されるまでの同社の基本書体はとても充実しているとは言えず、完成度も高くないのであまり使ったことがなかった。
2017年に金剛黒体が発表された時点では細めの6ウェイトしか無かったので、「どうして今までのダイナフォントに無かった見出しやキャッチコピーで扱いやすい太いウェイトを作らなかったのだろう?」と不満をずっと抱いていた。
プロからアマチュアまで、フォントの用途は人それぞれ、好みも含めていろいろあって当然だけど、まずどんな分野でフォントを使うにしてもゴシック体などの基本書体が充実してないと何もできないからね。
もちろん毎年ユニークなデザイン書体やPOP書体をリリースしてくれるのもウレシイけど、基本書体の充実化に力を入れる気は無いのかな、とそこだけはずっと引っかかっていたのだ。
開発当初から実は12ウェイトまで展開する構想があったのか、あるいはダイナコムウェアが公式サイトで述べている通り、「太いウエイトにも対応して欲しいというユーザーから寄せられる多くの声もあり、Bold書体の開発を進め」ることにしたのかは判らないが、何にせよ僕は今年の「金剛黒体」に関する発表は嬉しい限りだった。
「金剛黒体」のウェイトが拡充されてリリースされるという告知があった時、「かつては安かろう悪かろうだとバカにされていたダイナフォントもとうとうここまで来たか…!」と非常に感動した。

一般の人向けにPCが普及し始めた90年代から、いろんなフォントベンダーがデジタルフォントの制作・販売をしてきたが、その多くが倒産したり、フォント事業から撤退したり、他の大手フォントベンダーに事業を譲渡したりする形で消えた。
その中でダイナフォントは、他社と比べてフォントの品質が悪いとか一部の人から批判を受けつつも2020年代の今現在まで生き残り、今回紹介した「金剛黒体」のように新しい時代のニーズに対応するフォントの開発をしている。
ちなみにダイナコムウェアの公式サイトには「金剛黒体はVariable Fontによく似たフォント開発テクノロジーを採用しています」と書かれているんだけど、金剛黒体が最近流行りのバリアブルフォント(文末に参考サイトを掲載)に対応するとか、そういう展開もあり得るのかな…?
そんなことにも勝手に期待しつつ、ダイナフォントの今後の発展・展開も楽しみにしている。

それでは、また次回の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!

【参考にしたサイトなど】(いずれも2022.7.9閲覧)
●金剛黒体(DynaFont一覧)
好きな文字列を打ち込んでフォントを試せます。
https://www.dynacw.co.jp/product/product_download_detail.aspx?fid=87
●DynaSmartシリーズ
DynaSmart Vでは今回紹介した「金剛黒体」をすべて利用可能。
廉価版のDynaSmart Tにも一部のウェイトが収録されています。
https://www.dynacw.co.jp/product/product_dynasmart.aspx
●ダイナフォント2022年新書体として「金剛黒体Bold 6ウエイト」を発表
https://www.dynacw.co.jp/news/news_detail.aspx?s=924&r=1
●ゴシック体の頂点「金剛黒体」をダイナフォント2017年新書体として発表
https://www.dynacw.co.jp/news/news_detail.aspx?s=544&r=10
●金剛黒体について(ダイナコムウェア)
https://www.dynacw.co.jp/king/
●DynaFont PICK UP書体-金剛黒体コンデンス
https://www.dynacw.co.jp/fontstory/fontstory_detail.aspx?s=459

【バリアブルフォントに関する参考サイト】
●知らないと損?バリアブルフォントを楽しもう(フロップデザインのフォントキャンプ)
https://note.com/flopdesign/n/nde240b460382

【こちらも読んでいただけると嬉しい…】
●ダイナフォント新書体『金剛黒体』レビュー
「金剛黒体」が発表された2017年にtakumiが書いた記事です。
https://slimedaisuki.com/blog-entry-3969.html
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