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#50 "カワイイ"丸ゴシック体の代名詞「じゅん」
2022/02/10
モリサワがリリースしている丸ゴシック体「じゅん」。
1973年に写植用フォントとして一番細い「じゅん101」がリリースされ、現在の4ウェイトのファミリー展開となった。
後にデジタルフォント化され、2021年には最新のフォントの技術に対応した「じゅん」もリリースされた。
今回は、そんな「じゅん」というフォントに関して話そうと思う。

まず「じゅん」とは、こんなフォント↓
Jun.jpg
どちらかというと本文に適した太さの、手書きっぽさが残るカワイイ印象の丸ゴシック体だ。
同じモリサワが販売している大ぶりで現代的な印象の「新丸ゴ」や、逆に何となく古風な印象があるフォントワークスの「筑紫丸ゴシック」などとも一線を画す独特の空気感がある。
JunMarugoHikaku1.jpg
他の丸ゴシックと比べ、「じゅん」はかな文字だけでなく漢字のデザインも独特なので漢字だけ見ても「あ、これは『じゅん』だな」と瞬時に判別できてしまうのだが、「クセがある」と思うことはなく、自然と目に馴染んでくれる不思議なデザインだ。
モリサワフォントの中では「新丸ゴ」の方がよく使われているイメージだが、僕はどうしてもこのフォントのかな文字にクセがありすぎて好きになれないんだよね。
学生の頃にデザインの授業で教授に好きな丸ゴシック体は何?と聞かれた時に「じゅん」を挙げたら「古いね(笑)」と言われ、その時に「じゅん」が最初に発表された時期がかなり古いということを知った。
僕は子供の頃によく読んでいた低年齢向けの雑誌やゲームの攻略本・説明書などで何度も目にした記憶があるから、より愛着が湧いているのかもしれない。
幼い頃はフォントのことなんて全然知らなかったけど、「じゅん」が放つ独特な空気感と親しみやすさは、何となく目に残って離れなかったのだ。

ちなみにこの「じゅん」の制作に携わったデザイナーは、NISからリリースされている丸ゴシック体「JTCウインR」も制作した人だ。
JunMarugoHikaku2.jpg
「じゅん」と比べ、「JTCウインR」は遊び心控えめで落ち着いたデザインの丸ゴシック体だね。
だが僕は、「じゅん」の方が縛られた感じが無く、のびのびとデザインされていて作り手の個性がよりしっかりと反映されているように見えるし、だけども飽きがこないデザインだから好きなのだ。
他の丸ゴシック体と比べると個性が強いから、使用例があるとすぐに見つけられる。
フォントにさほど詳しくない人が丸ゴシック体に対して持つイメージは、「カワイイ」が多いように思う。
でも実際のところ、「カワイイ」印象の丸ゴシック体ってそれほど多くは無いように思うんだよね。
文字の線端が丸かったり、カーブが多用されていたりするPOP系フォントやデザインフォントには「カワイイ」イメージのフォントもたくさんあるのだが、多用すればすぐにダサくなるし、すぐに飽きてしまうようなデザインのフォントもある。
しかし丸ゴシック体はゴシック体や明朝体よりも少し柔らかいイメージを持つくらいで、本文やちょっとした見出しなど「読ませる」用途に最適に作られているから、「カワイイ」印象からどうしても遠ざかってしまう。
その点、今回紹介した「じゅん」は、かな文字だけでなく漢字まで、手書きを思わせる無邪気さや、少年・少女のような無垢さ・カワイさを持っていながら、すべての文字が調和するように作られている。
プレーンな丸ゴシック体が「使いやすさ」「読みやすさ」に配慮した上で出せる「カワイイ」のイメージを最大限引き出してくれたフォントといっても良いだろう。
読み手が疲れず無理なく読めるような配慮が必要な丸ゴシック体を、よくぞここまでのびのびとデザインしてくれたなと思う。

それでは、また来月の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!

【参考にしたサイト】(いずれも2022.1.16閲覧)
●書体見本 - じゅん101|モリサワ
↓好きな文字列でフォントの試し打ちができます。
https://www.morisawa.co.jp/fonts/specimen/1208
●じゅん|Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%98%E3%82%85%E3%82%93
●2021年 モリサワ新書体
https://www.morisawa.co.jp/topic/upg2021/
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