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#39 初心忘れないで… LETS「令和の変」
2021/03/10 00:00
フォントワークス(以下、FW)が提供する年間ライセンス「LETS」。
1月半ばに、このLETS全体の仕組みが一新されて生まれ変わるという告知があり、2月16日より「新LETS」がスタートした。
サービスが始まる前に、「新LETS」の概要をざっくり確認した際、少々期待もあったのだが、むしろ驚いたことの方が多かった。
今回は、そんな「新LETS」に関する話をしたい。

まずこの「新LETS」だが、FWはかなり前からこのような提供形態に変えることを計画していたはずだ。
2019年春、同社は不正コピー防止対策として、同年秋以降LETSユーザーが利用登録しているPCの中からユーザー自身でフォントファイルの存在を確認できないよう、同社が提供するすべてのフォントを「非表示化」した状態でサービスを利用できる形に変更するという発表を行なっていた。
結局この取り組みは、サービスを見直すとかで中止の告知があったんだけどね。
(この時のFWの取り組みに関して、2019年当時僕は「フォントの独り言」で詳細に言及しました。
興味がある方は記事の最後に記載のURLからどうぞ。)

そして2020年になり、誰もが想定していなかった非常事態に陥り、一部の企業では在宅勤務が行なわれるようになったことにより、FWに限らず各フォントベンダーが対応に追われた。
そういったことがきっかけだと思うが、今年から始まる「新LETS」でフォントを利用する際は、従来のLETSで行なわれていたPC常駐型アプリからのインストールでなく、会員専用のWebサイトにログイン後、「フォントのアクティベートを管理する形式」(当初FWが計画していた「非表示化」での提供)に変わるそうだ。
これにより、利用するPC台数分の契約をせずとも、1人の会員が「2台までのPCで同時接続」(フォントを利用する)することが可能になるらしい。

もう僕はこれ以上フォントの「非表示化」の是非を問うつもりはないが、何が一番驚いたって、この「新LETS」では年会費が大幅に値上げされるということ。
「LETS」サービス開始当初からあった入会金が廃止されるのは良い改革だとしても、今まであった契約時に3年コースを選択することで1年コースよりも1年分の年会費が安くなる仕組みが「新LETS」では完全に廃止され、1年ごとの契約のみとなった。
それに加え、従来のLETSの1年コースの年会費よりもさらに高額になったのだ。
年会費を抑えたいからと、またFWという会社に信頼があるからと従来のLETSで3年コースを契約していた人にとっては、1年あたりの年会費が2倍近くに跳ね上がることになる…。
だからといって仕事で必要だからと、LETSを解約してしまうわけにはいかない企業やフリーランスの方々にとってはかなりの痛手となることだろう。
しかも「新LETS」では、年会費が高くなるのに従来のLETSに付随するフォント以外のサービス(Webフォント、ロイヤリティフリーの写真素材、フォント管理ツールなど)は提供されなくなるそうだ。
そんな従来のLETSは2027年11月には完全に提供終了する予定らしいし、年会費が大幅に上がった「新LETS」に移行した上で利用継続するか、それとも契約期間満了時に解約するかの決断を迫られるキツイ状態になった…。

さらに従来のLETSでは今年の10月をもって「新書体」を提供終了するという発表もあった。
LETSが始まった当時のコンセプトって、それまで主流だったフォントの単体もしくはパッケージ購入と違い、毎年固定費を支払えば「新書体」が追加料金なしで使えること…がかなり大きなメリットじゃなかったっけ?
また既に提供中のフォントでも、収容文字数が増えたり、フォントを使う環境の変化でフォントのフォーマットが新しくなるようなことがあっても固定費のみで安定的に利用を続けられることだと思っていたが…。
従来のLETSが完全終了するまで6年もの期間を残しての「新書体」の提供終了は、特に長年LETSで提供されるフォントに魅力があるから、あるいは「LETS」というサービスそのものに期待や信頼が置けるからと複数年コースを利用してきた既存ユーザーに対する最大の裏切り行為、と言っても過言ではないだろう。

しかし2月25日、2021年10月にリリースされる予定の新書体情報が掲載されていたページに、2022年3月の新書体情報が追加された。
さらに従来のLETSの終了と、「新LETS」の今後のリリース予定に関するスケジュールが記載されたページも、音もなく更新されていた…。
当初の発表通りなら2022年の新書体は、現行(従来の)LETSでは使えなくなるはずだったんじゃないの?と。
続けて2月26日、FWから【LETS会員様向け「新LETS」移行プランのご案内】というメールが送られてきた。
それによると、従来のLETSの契約満了日が「2022年6月30日まで」の会員と、それ以降の会員とで、「新LETS」への移行方法が分かれるそうだ。
2022年6月末までに契約満了する会員は、「新LETS」移行時に初年度年会費がいくらか安くなり、かつライセンス期間が本来より少し長くなるクーポンを進呈する、と。
一方、2022年7月以降に契約満了する会員は、今のLETSの契約期間を、「移行に伴う差額の負担なし」で移行できる、とのこと(詳細な案内はまた1年ほど先になるそうだが…)。
もしかしたらこれは先に話した2021年10月に「新書体」が提供終了するという発表があったことと関係があるかもしれないね。
SNSを見た限りでも既存ユーザーから相当な非難があったし、今の契約だけで2022年以降の「新書体」を利用できるはずだったユーザーが、2022年7月初めから契約期間満了まで「新書体」提供などのサービスを実質継続利用できるような措置だろうか。
しかし、当初の発表を訂正するような表明はないし、じっくり読み解かないと判らないようにコロコロ変えるのはいかがなものかと思うが…。
「プレミアムフライデーのお知らせ」を公式サイトのトップで逐一掲載する前に、一度発表した内容に変更が生じたならばLETS会員のみならずこれからLETSサービスの利用を検討している人も含めてみんなに判るような形で通達して欲しいものだ。

長年フォントのパッケージ販売を行なっていたフォントの会社の多くは、フォントのパッケージ販売を終了してLETS同様にサブスクリプション形式での提供に移行したり、フォント事業を別の大きいフォントの会社に譲渡したりしている。
その中でも「LETS」がここまで発展してこられたのは、このサービスに参画することを決めてフォントを制作・提供してくれたクリエイターや、「LETS」で利用できるフォントやサービスそのものに魅力を感じ、信頼を置いて長く「LETS会員」(ユーザー)でいてくれた人たちの協力が何より大きかったからだと思うんだよ。
だけど会社が大きく発展したことで、「LETS」が始まった当初のコンセプトや、このサービスをより良く築き上げてきた人たちがあってこそだったありとあらゆる「もの」が、壊れてきているような気がする…。
サービスを利用してくれるユーザーや、社外からフォントを提供してくれるクリエイターよりも、「LETS」というブランドイメージの【外観】をキラキラと美しく飾ってアピールし、「LETS会員」を増やすことで自社の利益を上げることを最重要視したい、って魂胆が見えてくるんだよね。
「LETS」で使えるフォントに魅力を感じてサービスを利用するLETS会員と、その期待に応えられるようなフォントを作るクリエイターがいてこその「LETS」なのに、企業としてのFWはユーザーやクリエイターと息を合わせる気がこれっぽっちも無いのを見ていると、フォントや書体に知識も関心も無い人間が社内の中枢的な場所にいて、企業やブランドの価値を上げることばかりを考え支配しているのかもしれないね。
フォントの世界に限らず、いろんな企業や組織・団体などが大きく発展したり、そのトップにいる人間が変わったりした時の「あるある」なのかもしれないが、だからって納得行くわけがないし、残念でならない。

それでは、また来月の「フォントの独り言」でお会いしましょう。ィヨロシク!!

【参考にしたサイト】(いずれも2021.2.26閲覧)
●【更新】年間定額制フォントサービス「LETS」に関するスケジュールのご案内
「〈現行LETS〉終了スケジュールにおいて、新書体の追加提供終了を、2021年10月から2022年3月へと変更いたしました。」
https://fontworks.co.jp/news/2021/02/10/9813/
●【更新】「LETS」2021年〜2022年リリース予定、新書体のお知らせ
(当初は2021年10月リリース予定の新書体の情報のみだったが、2月25日に2022年の情報が追加された)
https://fontworks.co.jp/news/2021/02/12/9846/
●【再掲】不正コピー、配布への対策強化に対する取り組みのお知らせ
(2019年当時予定されていた「非表示化」が中止となった旨の記載あり)
https://fontworks.co.jp/news/2019/07/29/5188/

【takumiが過去に執筆した関連記事】
●フォントの独り言 #20『FWフォント「非表示化」へ』
https://slimedaisuki.com/blog-entry-4880.html

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